三十路監督生は平和主義なので、全力でオバブロフラグを叩き折ることにした。【ツイステ】

4 三十路の全力RUN ページ5

『いや、32歳で制服は酷すぎる！！！』






うぁぁぁあ、と頭を抱えて床に倒れ込む。




え？何これ、どういう状況？
交通事故にあって、異世界転生したってか！？

ツイステッドワンダーランドの世界に！？



ギン、と半泣きでグリムを見れば、ひぃ、とグリムは仰け反る。



いやあれは絶対にグリムだ。

この服もこの浮いてる棺桶室も、ツイステのプロローグそのものじゃないか！




状況を整理しよう。


グリムに叩き起されたやつ＝監督生。
物語の主人公…つまりトラブルメーカーじゃないか！

僕は勝手に異世界転生させられた挙句に、巻き込まれ体質だと！？


最悪だ。
悪い夢ならば今すぐに覚めて欲しい。





ｸﾞﾘﾑ｢と、とりあえずその制服をよこすんだゾ！さもなくば…｣

『丸焼きにされるのは勘弁』

ｸﾞﾘﾑ｢ふなっ！逃げるな！待つんだゾ！！｣





僕はその場から慌てて走り飛び出した。


長い廊下を抜けて、庭を抜けて、辿り着いたのは原作通り図書室。




『はぁ、はぁ…死にそ……おぇ……』




死ぬもの狂いで走りきった。

こんなに走ったのは何年ぶりだろうか…。
学生時代でもこんなに走った記憶はない。


明日絶対に全身筋肉痛だ。



ｸﾞﾘﾑ｢オレ様の鼻から逃げられると思ったか！ニンゲンめ！！さあ、丸焼きにされたくなかったらその服を…｣

『いや、いま…それどころじゃ…ごほっごほ…』

ｸﾞﾘﾑ｢丸焼きにする前に死にそうなんだゾ！？｣

『おぇ、吐きそ…』



ガシ、と反射的に目の前にあったグリムの腕を掴む。



ｸﾞﾘﾑ｢ふなぁ！？な、なぜオレ様の手を｣

『おぇええええ』

ｸﾞﾘﾑ｢ふなぁぁぁぁぁぁぁあ！！！！｣




僕の胃の中の物は、全て僕の体から外へと出た。

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