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「お兄さんがぬいぐるみ作ってくれた人なのーっ!?」


「可愛かったー!ありがとー!」


ラギー「ふは、モテモテじゃないッスかぁ」


『ぇ、ぁ…………え、と、』




怒涛の勢い。慣れてはいるけど、やっぱり動揺はする。どうしたらいいこ、未だにわからない。ラギーはニヤニヤするな、俺の母さんそっくりだぞ。



とりあえずマノを手に嵌めて………声を出すのは、ラギーも今日くらいは許してくれるでしょ。




『《わわわー!皆オレの友達の家族ー!?すごいすごいー!》』


「お、お人形が喋った!!!」


「ネコちゃん可愛いね!」


「ちょっと、待ってて!連れてくる!」




うおぉ、すごい、一気に何人も喋るじゃん、薔薇の王国とはまた違う感じ………新鮮。



あ、あの子の服母さんが作ったやつだ。まだ着てるんだ、物持ちいいな。
あの子のぬいぐるみ、解れてきてる。あとで綺麗に直してあげよう。




「持ってるのはなぁに?」


『《オレの新しい友達とぉ、服ー!》』


ラギー「え、マジ?いやそれは気付かなかったッス……頭あがんねぇ……」


『《気にしなくていいよー!さー、着てくれる子はどの子かなー?》』




小さな問いかけでも素直に反応してくれるのは小さい子のいいところ。



また服を着せて、写真を撮って、ぬいぐるみを直して、人形たちで遊んで……
あっという間に日が暮れた。本当は帰ろうと思ってたんだけど、ラギーのおばあさんの御厚意で泊まることに。何から何まで申し訳ない。




ラギー「いやー、マジで助かったッス!久しぶりにあんな笑顔なの見たっていうか」


『……なら、よかった。……そうだ、なんか、1人になれる場所、ある?』


ラギー「んぇ?ぁ〜…………んん〜」




無理なお願いだっただろうか。
きっと今晩ユウから電話がかかってくる。ユニーク魔法を使うつもりでいるし、人に見られるのはなんだか……シュールというか。



要件が片付くまで部屋を自由に使っていいとの許可が折りたため、ラギーには申し訳ないが部屋を占領させてもらった。




『………服、破れてる』




ベッドの上に無造作に置かれた服。
所々穴が空いていて気になる。……直すくらいなら、怒られないかな。



携帯用の裁縫道具を取り出して一針一針縫っていく。
違和感はない、と、思うけど………ダメだったらどうにかこうにか元に戻せばいいか。

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作者名: | 作成日時:2020年10月16日 20時

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