【ツイステ】 Stoneface__BORDEAUX.【男主】 (ページ27)

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『……これは、ちょっと…』

グリム「どれどれ……んぐっ、すっげー苦いんだゾ！！」

『ユウの故郷の人たち、料理上手過ぎない…？』

白い皿に並んでいるのは、卵焼きになるはずだった黒く焦げた何か。もちろん味は言うまでもない。
言われた通りにやったんだけれど、どう頑張ってもうまくいかない。もう卵パックは空になりそうだし、俺の胃袋も限界だ。かといってグリムに余っているやつ全部食べさせるのは違う。

さて……どうしたものか。
オムレツの容量じゃうまくいかない。かといってコツも掴めないし……

他のおかずはできた。見た目も味も及第点ってところ。ただ、弁当の主役と言っていいほどのポジションらしい卵焼きができない。

『…調味料の味がしない』

グリム「オマエ、料理得意じゃなかったのか！？」

『慣れてるのしか作れないから…困った……』

部屋がちょっぴり焦げ臭い。今帰ってきたら確実にばれてしまう。

ジェイドやフロイドにコツを聞いてみたりしたけど、あまり参考にならなかった。俺はあんな完璧に作れないから…
最悪、2人のどちらかを呼んで作ってもらうっていう方法も……対価要求されるかもしれないけどなりふり構っていられないし……

『……最後の一回、失敗したら、他の人に＿＿＿』

ユウ「何してるんですか？」

ひょこっと後ろから顔をのぞかせるのはユウ。
心臓が止まりかけたのは言うまで間でもない。めちゃくちゃびっくりしたし、視線は完全に俺の手元だ。
横にいたグリムも驚いた様子で声を上げた。

グリム「ふなっ！？なん、オマエ、ハーツラビュルにいるんじゃ、」

ユウ「それが今から予定があるらしくてさー。俺同伴できないっぽかったから帰ってきちゃった」

『お、おか、えり』

ユウ「ただいま！ところで……これは一体？」

黒くなった卵焼きをつまみ、ユウは自分の口に投げ込む。
数回咀嚼すると、眉間に浅いしわができた。

が、卵焼きに伸びる手は引っ込むことはなかった。

『ちょ、と、何食べてるの』

ユウ「え、あ、懐かしいなーって…俺も作ったときこうなったから」

へらりと笑うユウ。美味しくないはずなのに、表情はなんだか満足そうだった。

ユウ「良ければ俺も手伝いますよ！貸してください、久しぶりだからうまくできるかはわかんないけど！」

エプロンもつけず、手を動かす。…不本意だけど、楽しそうならいいか。