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ユウ「カリム先輩、泣いてる………」
鼻を啜りながら、カリム先輩はジャミル先輩と話している。
時々オクタヴィネルの2人が間に入りながら。
言葉を続け、決意を見せる。
主従関係を取り払い、これからはライバルとして、友達として対等になりたいと。
それを聞いたライヴさんは、浅くため息をついた。
ジャミル「なら、対等な立場で言わせてほしい」
『……ん、』
ユウ「ライヴさん?」
ライヴさんにもたれかかるように抱き寄せられる。軽く耳を手で覆われながら。
ジャミル「絶っっっっっ対にお断りだ!!!!」
びびび、と体が震え上がる。
何だ今の……!!ジャミル先輩の素ってあんななんだ……!!
その後も、嫌な理由をつらつらと並べてカリム先輩を論破した。
アズール先輩は、ジャミル先輩が猫かぶりだったことには薄々気付いていたらしい。……ライヴさんもそうなんだろうか?
ユウ「ライヴさん、体調どうです?」
『……まぁまぁ。ユウ、ちょっと後ろ、向いてて』
ユウ「……?はい」
言われたとおりに顔を後ろに背ける。
視界の端でペンが動くのが見えた。
刹那、後ろからジャミル先輩のうめき声。
急いで振り向けば、床に片膝をついて苦しそうな顔をしていた。
カリム「ジャミルッ!?どうした!?」
ジャミル「ッあぁ、少し、耳鳴りがしただけだ」
ジェイド「これはこれは……ささやかな復讐ですね、ライヴさん?」
ばっと横を見れば、眉をしかめてライヴさんがマジカルペンを握っていた。
すごく、怒ってる。リドル先輩のときくらい。ジャミル先輩はそんなにライヴさんにストレス与えているのかな……?
『随分ユウが世話になった、その礼』
ジャミル「礼?これが?」
『そう。……もう、帰る。』
ライヴさんの目に浮かぶ怒りは消えないまま、彼は立ち上がった。
ペンをポケットにしまい、一歩踏み出すと体がよろけた。
ユウ「こんなフラフラじゃあ無理ですよ……!」
『《転移魔法使うから大丈夫だよぉ。カリム、ユウとグリムのことよろしくねぇ》』
カリム「ん、わかった!本当に大丈夫なんだな?」
『《大丈夫〜。じゃあねぇ、ユウ、グリム。》』
淡い光に包まれ、ライヴさんは姿を消した。
長かったホリデーもそろそろ幕を閉じそうだ。
明けたらライヴさんの話ゆっくり聞かせてもらおう。
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作者名:諒 | 作成日時:2020年10月16日 20時