○4-1 ページ2
『ユウ、グリム、少し、いい』
ユウ「どうかされました?」
部屋で学期末課題に取り組んでいると、ライヴさんが俺の部屋のドアのところに立っていた。
手にはトレー。カップが2つとお菓子。今日のお茶は何だろう。
ミニテーブルとイスを出してライヴさんを招く。
お菓子の匂いに誘われたのか、グリムはいつの間にか課題を放ったらかしにしていた。
グリム「スンスン……フルーツとバターの香り…」
『今日は、フルーツパイ』
『《ライヴの手作りなんだー!》』
ユウ「はぇ〜、美味しそう」
見た目は全部一緒に見える。中に入ってるのがランダムってことかな。これは楽しみ倍増だ。
紅茶は………ん、日本で飲んだやつと似てる。安めの、自販機に売ってるような味。いつものとは明らかに味が違う。………気がする。
『紅茶は、よく売ってる、ティーバッグ。……美味しい?』
ユウ「…俺はブレンドティーのが好きかなぁ」
『……ぅ、れしぃ』
グリム「俺様レモネード!レモネードが好きなんだゾ!」
『《やっぱりライヴの味覚は皆と一緒なんだー!よかったねー!》』
嬉しそうな顔。お花舞ってる。最近ご機嫌そうでこっちとしてはすごく嬉しい。
皆は気付いてないけどよく笑うようになったし。
サクサクのパイを齧る。これはブルーベリーかな、酸っぱくて美味しい。紅茶がよく合う。
もぐもぐと頬張っていると、ライヴさんは本題を切り出した。
『ホリデー、俺は、帰る、けど……大丈夫……?』
ユウ「あー……まぁ、大丈夫です!食料もらえるらしいし!」
『……ちょっと、不安…』
グリム「オレ様もついてるんだし、問題ナシ!安心しろ!」
『うぅん…………』
なんだか納得いかなさそうな顔。
本音を言うなら俺だって帰ってほしくない。こんな何も知らない世界で1人でいるのは怖すぎる。
でも、それは俺のわがままだから、言ったらいけない。これ以上迷惑かけたらダメ。我慢我慢。
それにラギー先輩も言ってた、ホリデー中にライヴさんを招くって。尚更ここにいて、何で頼めない。
ユウ「本当に大丈夫です、俺高校生だし!」
『……そう、なら、いい、けど……』
ユウ「いい子にお留守番できます、安心してください」
『……わかった』
微々たる変化だけど眉尻が下がった。困った顔しつつ笑ってる。ように見える。
心配かけないように、今以上にちゃんとしないと。
134人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:諒 | 作成日時:2020年10月16日 20時