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『《こんなにいらないー!ライヴと俺じゃ運べないよー!》』


ヴィル「好意よ、受け取りなさい」


『《嬉しいけどさー!》』




放課後の部活。いきなりヴィル先輩に呼び出されたかと思えば、目下にダンボールが置かれた。



今まで寮に置いてもらえてすごくお世話になった。感謝はしてもしきれない。………けどさ。
箱いっぱいに詰められた生活用品。俺とユウへ、らしい。あればあるだけ困らないけど限度ってものがある。



週末取りに行こうとしていたティーカップも全てヴィル先輩から返された。
ルーク先輩に頼んで運んでもらおうかな。今日部活か。却下。




『今、食器棚が無くて…』


ヴィル「あら。それなら余ってるのいくらでもあげるわよ」


『それだと高価すぎるっていうか…』


『《あの雰囲気には似合わないよなー》』




とてもじゃないが似合わない。あんなボロボロの寮に置いてあったら真価が発揮されないよ。




近々買いに行く予定だった。机や椅子も新調したかったし。
あとはミシンも運び入れないと。うぅ、物置みたいにして申し訳ないけどあと数日待ってほしかったな………




ヴィル「流石に着いていくから安心なさい。アンタ1人に運ばせるほどアタシは腐ってないわ」


『《さっすがヴィル!優しー!》』


ヴィル「当たり前でしょう。さ、行くわよ。アタシは暇じゃないの」




ひとまずマノを部室に置いて、ダンボールを持つ。
カチャカチャと音を立てているあたり、こっちはカトラリーだろう。割らないようにしなければ。




ヴィル「監督生はどう?仲良くしてる?」




ちらりとヴィル先輩の顔色を伺う。
悲しそうな、嬉しそうな。まるで母親みたいな優しい顔だ。




『…わからない、けど…なんとか、話してます』


ヴィル「随分と成長したじゃない。ルークが聞いたらきっと手を叩いて喜ぶわ」


『何歳児………??』




安易に想像できるのが悔しい。ごめんなさいルーク先輩。無邪気なとこは俺好きですよ。



寮に到着し、荷物を下ろす。片付けは帰ってきてからでいいか。



ヴィル「しっかりなさい。悪い思考は顔に出るわ。アタシが磨いたキレイな顔が台無しよ。」


『…はい、ありがとうございます』


ヴィル「あら、何のことかしら。」




"それじゃ"と身を翻してオンボロ寮を出ていくヴィル先輩。
ヴィル先輩が下ろした箱の上に、優しさ溢れるメモが貼ってあった。

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(プロフ) - 毎度毎度お話が好み過ぎます…更新楽しみにしてます! (2020年8月17日 15時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月17日 13時

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