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決闘当日。皆で朝食を口に運んでいると、目の前にライヴさんが座った。
『ユウも、グリムも、行くの…?』
ユウ「はい。友達が頑張るんだから俺も応援しないと」
グリム「アイツの泣き顔を拝むんだゾ!!」
『そ、う………』
ティーカップに紅茶を注ぐ音だけが室内に響く。
いつも以上に伏せられた睫毛。…もしかして、悲しんでる、のかな。でもこればっかりは引き下がれない。
ユウ「大丈夫ですよ、学園長もいますし」
エース「先輩も来る?」
『い、いい、大丈夫。……』
この前みたいに手が震えている。
何か元気づけられる言葉はないかな、心配してほしくない。迷惑かけてる俺が全面的に悪いんだけども。
身支度を整えていると、ライヴさんは水色のぬいぐるみに口付けを落としていた。
『
何を言っているかはわからないけど…俺が気にしなくてもいいことだろう。
この前採寸してくれたぬいぐるみよりも少しだけ大きい。
愛くるしいクマと小さめのヒツジを差し出された。
『これ、持ってって。役に立つから』
ユウ「わかりました」
『絶対、離すなよ』
押し付けるように渡され、優しくそれらをら抱きしめる。ボタンは俺の目の色と同じ。
ユウ「もちろんです」
『グリムも、怪我しないでね』
グリム「俺様はそんなに弱くねぇんだゾ!」
エース「はっ、どうだか!」
グリム「何だと!?」
朝から元気だなぁ、とグリムとエースを見守る。
緊張で少しだけうるさい心臓を抑えていると、頬に布が触れた。
その主はマノくんで。
『《オマジナイ!オマエら危なっかしいからねー!次デュース!》』
デュース「は、はい!!」
"チュー!"なんて言いながら軽く頬を喰んでいた。エース、グリムも同様に。デュースすごく嬉しそう。
ユウ「行ってきます!」
『《行ってらっしゃいー!》』
ライヴさんに手を振って寮の扉を占める。
快晴、風無し。
"絶好の決闘日和だな!!"なんて言うデュースに俺らは苦笑いをこぼす。
決闘日和って、殺伐としすぎでしょ。彼らのいつもの雰囲気と、手元のぬいぐるみたちで緊張は無くなっていた。
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蓮(プロフ) - 毎度毎度お話が好み過ぎます…更新楽しみにしてます! (2020年8月17日 15時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月17日 13時