【ツイステ】 Stoneface__RED.【男主】 (ページ20)

今日:5 hit、昨日:26 hit、合計:135,296 hit

○1-8 ページ20

ユウ「ちょっとライヴさんのとこ行ってくる〜。俺の分のレモネードも残しといてね」

エース「なら早く帰ってこいよ、マジうめぇから！」

デュース「炭酸で割ると美味いな…！」

………これは残ってないかもしれないな。後日作り方教えてもらおう。

冷蔵庫からマロンタルトを取り出して階段を上がる。
部屋はノックしても返事なかったから裁縫室だろうか。

受け取ってくれるかな。嫌いだったらどうしよう。なんて思いながらドアを軽くノックする。
勝手にドアが空いて、ライヴさんは首を傾げながら俺を見ていた。

『…何』

ユウ「あ、えっと、トレイ先輩から、今晩のお礼ってもらいました」

『…ユウが食べな。俺はいいから』

ユウ「…………俺も、頑張って…手伝ったん、ですけど…」

ついつい視線を下げてしまう。帰ってきたときよりも声が冷たく感じた。

お節介だったか。そりゃそうだよね、なんか今作業してるっぽいし。邪魔しちゃった。
綺麗に盛り付けたタルトも、なんだか歪に見えてきた。こんなんじゃライヴさんは喜ばないか。皆で分けようかな。

嫌な思考がぐるぐると頭を占める。
つん、と髪を引っ張られるような感覚。視線を上げると、マノくんが俺の前髪を喰んでいた。

『ご、めん、えっと、ぁー…』

ユウ「…嫌いですか、これ」

『嫌いじゃない、その…あげたら、ユウは、喜ぶと思って…』

ライヴさんの左腕がだらんと垂れる。
ピンクの目は右往左往。そんな様子に吹き出してしまう。だってこんな風に動揺してるのは想像もつかなかったから。

ユウ「1人でケーキ食べるのは美味しくないですよ」

『…半分ずつ、食べる？』

ユウ「もう散々食べました。先輩がもらってください」

『…ぁ、あり、がと…』

遠慮がちに差し伸べられた手に、お皿を乗せる。
そのまま部屋の中へ戻り、ミニテーブル近くの椅子に腰掛けた。
手招きされて、俺もそこに座る。ふんわり香る柑橘。今日の紅茶はフルーツティーかな。

『…おいし』

ユウ「そんなちまちま食べなくても」

思いの外一口一口が小さい。ライヴさん俺より背高いはずなのに。なにこれハムスター？生きる小動物か？

じっとそれを観察していると、ゆっくりながらも着実にタルトが無くなっていった。