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それからたくろーさんとよしあきさんとお別れしてこうくんの家へ着いた。
着いたぶんにいいけど、体格的によしあきさんの方を送り届けて方が良かったかもな、と後悔しつつ、ここまでこうくんと辿り着けたことに自分で自分を褒めることにしよう。


「ほらこうくん着いたよ、私家の鍵持ってないよ、どこにあるの?」

「俺の鞄の内ポッケ〜」


言われた通り鞄を探るとキーケースが出てきて、その中からそれっぽいのを挿していくと、3番目の鍵でカチャリ、と音がし、ドアノブが回るようになっていた。

小さくお邪魔します、といい中に入ると、思っていた以上に整頓された部屋が目に入る。こうくんのことだから出したものは出しっぱなし、みたいなイメージがあったけど、ちゃんとしているみたいで少しだけ驚いてしまった。

お風呂入んないの、と声をかけると入る、とだけ言って浴室であろう場所に向かっていった。さすがに今帰ってお風呂場で倒れる、なんてことがあってはいけないので、お風呂から出るまで待つことにした。
私の家とこうくんの家はそんなに離れてなくて、車で5分くらい、なんならお互いの最寄り駅の前後の駅分しか離れていないくらいなので帰りについてはそんなに心配していない。
むしろこうくんが1人で寝付けるかの方が心配。


10分後くらいにこうくんは出てきて、眠そうな目を擦りつつ、空いている手でタオルを使って髪を拭いていた。面倒臭いから寝る、というこうくんの髪を最低限のとこまでは拭こ?と言い、渋々といった様子のこうくんを後目に、ぽたぽたと雫が垂れ落ちた箇所を拭いていく。

全て拭き終わった頃にはこうくんはもう既にベッドに入っていて寝る準備は万全だった。様子を見に行くとすやすやと寝息を立てていたので大丈夫か、と思って鍵閉めるために合鍵借りて帰るね、おやすみ、と立ち去ろうとすると、ベッドに添えてあった私の手をこうくんが掴んだ。


「...A、帰っちゃうの?」


「そりゃ、もう日付も変わりそうだし」


そう言って立ち上がろうとするけど、まだこうくんは手を離してくれなくて、15分くらいなら大丈夫かな、とその場に座る。


「へへ、Aが俺の家にいてこうやって寝る時に近くにいてくれたら一緒に住んでるみたい、嬉し。俺だけの特権だよ?山本さんとか川上さんとかにはしちゃダメだよ?」


そうとだけ言ってすぐに手に込められていた力が軽くなる。こうくんって酔ったら甘えたになるんだな、なんて呑気に思いつつ家に帰った。

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かすがわ(プロフ) - 楽しく小説読ませていただいてます! 少し気になっしまったので、言わせていただくのですが、福良さんは河村さんのこと確か「河村」呼びだった気がします…! (2019年9月19日 23時) (レス) id: 13a71039dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おとわ | 作成日時:2019年9月5日 0時

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