理系女子の活動日誌【QK】 (ページ28)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:250,724 hit

028 ページ28

目が覚めると俺のじゃない匂いが微かにした気がした。目を開けて最初に襲ってきたのは少しの頭痛で、最初に脳裏に浮かんだのが昨日俺がAに見せた醜態だった。
新歓の時と比べて何も成長してない自分に呆れすら覚えるが、今はそんなことよりも、俺が昨日何も考えずにAに言った言葉の方が大事だった。

｢付き合ってもないのに他の男にはするな、とかワガママすぎかよ...｣

俺って独占欲強かったっけ、いや、それ以前に俺とAはそういう関係じゃないし独占欲とかの問題じゃねえわ、と自分で喝を入れる。

合鍵を貸したことは曖昧に覚えているけど、それを誰かに見られたら説教どころじゃ済まない。ていうか川上さんと山本さんに昨日のことを確実に聞かれるけどAが俺をフォローしてくれるという確信はなかったからもう俺詰んでるかも。

須貝さんはシスコンっていう言葉で収まらないくらいにはAのこと大事にしてるし、山本さんなんかは恋愛感情だし、他の人も俺が知らないだけで恋愛感情抱いてるかもしれない。抱いてないにしろAのことを可愛がっていることは俺でもわかる。そんなAを家に無理矢理ではないにしろ家に連れ込み、合鍵を持たせ、いや俺が持たせたわけじゃないけど、日付が変わるまで家に居らせたとなると俺は良くても須貝さんと山本さんからの説教を食らう。
なんなら全員すらありえる。

まあ確かに俺のお酒の節度がなかったのが悪い話なのかもしれないけど、昨日は間違われた1杯しか飲んでいないはず。それなのに酔ってしまったのは、Aと2人きりで半個室だったからかもしれない。

個室は密室とは、いつ耳にしただろうか。高校生の時の仲の良かった男友達からだったか。俺は個室だという事実、それだけで少しでも興奮してしまった。そこいらの男子高校生と何ら変わらないのかもしれない。

大きい大きい溜息をついて立ち上がる。今日は俺の好きな講義で気分が上がるはずだったのに、こうも気分が上がらないのは何故だろうか。いや理由は知ってるけど。

いつもよりも重い足取りで駅へと向かう。どうか今日はみんなにとってのいい日であるように、と心から願った。

.

｢こうちゃん、昨日大丈夫じゃなかったんでしょ？またAちゃんにお世話になったってほんと？｣

｢は？お前A家にあげたん？俺の妹を？なして？｣

伊沢さんと川上さんが用事で来れなくて、説教は山本さんと須貝さんだけだったのでいい日だった、と思いたい。