【オリジナルBL】まっしろなゆめ【男主】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:17,252 hit

にわページ3

『ただいま』

「お、お邪魔します…」

段ボールは荷物になるから置いてきて、その子を連れとりあえず帰宅。
家には父さんも母さんも居ないから、高校生にもなって「やだやだ！ちゃんと面倒見るから！！」とか駄々をこねずに済んだ。よかったね俺のプライド。

『うち俺しか住んでないから気遣いとかいらないし、まぁ部屋とか好きに使って』

「はい」

何だかさっきからキョロキョロと周りを見回す男の子。
何が珍しいんだろうか、普通のマンションの一室なんだけど。
まぁいいや、とリビングに移動する俺にちょこちょことついてくる。
なんかペットみたいで可愛いけれど、ここに住むんだったら出来るだけ早いうちに慣れて欲しい。

『あ、言い忘れてたけど俺は神崎A。君の名前は？』

「え、えっと、真白…です」

真白。よし覚えた。
てっきり外国人かと思ってたけど、日本語ペラペラだし名前も日本名だし、ハーフとかなのかな。
家のことは思い出したくないみたいだから、あんまり触れないでおこう。

『おっけ、真白ね。じゃあ、色々説明するけど良い？』

「はい！」

うん、いいお返事。

『まず、ここが真白の部屋』

「はい」

家は俺一人しかいないのに部屋がいっぱいあって正直持て余してたし、ちょうど良かった。

『次、ここがキッチンで……』

家の各場所やらして欲しい手伝い(皿洗いとか)やらを教えて、とりあえず一息。

比較的家具の少ないリビングに置いてあるソファに二人で座る。

『敬語じゃなくていいからね』

「は…うん」

『俺のことも呼び捨てでいいから』

「分かった」

『………』

「………」

駄目だ、何話したらいいのか分かんない。
気まずい…。

「えっと、僕もう寝ていいで…かな」

そんなに敬語染み付いてるの。
礼儀正しいのはいい事だけども…。

『うん、お休み』

「おやすみなさい」

ぺこ、と一礼して部屋に戻っていくのを見送る。

『……………』

これからどうしよう。

胸にはそんな不安が募って、ご飯とか色々忘れてその日は寝た。