検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:17,251 hit

いちわ ページ2

「あの」

『?……ッ!?』

部活帰り、家に帰ろうと歩いていた路にそいつは居た。
居たというか…捨てられていた?
段ボールにすっぽりと収まる形で、毛布のようなものに包まって座っている。
もちろん犬とかじゃない。
勿体ぶるまでもなく……人間だ。

『っえ、えっと………???』

突然のその光景に、思考が追いつかない。
なんで人?
なんで段ボール??

「あの…拾ってくれませんか?」

そんなか細い、消え入るような声にハッとする。
よくよく見たら、中学生くらいの体格だ。
服装とかを見るに、凄く貧乏そうって訳じゃない。
ありふれた普通の男の子だ。
でも、なんでこんな捨てられてるみたいな_

「僕、家から抜け出してきたんです」

家出か…。
俺も昔しようと思った時期があったなぁ。
どうしよう、帰れって言うべきなんだろうか。
何となく状況が掴めてきたので、改めて男の子の様子を見る。

パニックで目が向いていなかったけど、少し暗くなり始めた道の街灯に照らされた髪の毛は眩しいくらいの金髪。
目は髪と同じ金色だけど、どこか色が褪せている。
くりくりとした可愛らしい目には涙が溜まっていて、迫るようにこちらを見つめている。
目鼻立ちも良くて、将来すごいイケメンになるだろうな、と思わず見とれてしまう。

「あの家に帰りたくないんです…!お願いします、拾って下さい!」

段ボールの中で膝を抱えて、堪えきれなかった大粒の涙をぼろ、と一粒頬に流してその子は言った。

『………はい』

ああ。
なんで俺はこんなに押しに弱いんだろう…。

凄い勢いで飛びついてきたその子を受け止めながら、俺の心はそんな後悔でいっぱいだった。

にわ→←作者より【必読】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
設定タグ:オリジナルBL , 男主 , BL , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

大手裏剣(プロフ) - アカツキ@鞠さん» いーよー (2019年1月17日 19時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ@鞠(プロフ) - 大手裏剣さん» あああありがとう!!!載せてもいいかな? (2019年1月17日 17時) (レス) id: ccc67f90c9 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 主くんっす (2019年1月17日 1時) (レス) id: 001fa74876 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - はいどーぞ!色なしだけどすまん。 http://uranai.nosv.org/uploader/common/1/3/c/13c74935e0f1dc05a6b45d28af403606.jpeg (2019年1月17日 1時) (レス) id: 001fa74876 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ@鞠(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとう!おかげさまで…w 本当!?ゆっくりでいいから描いておくれ!どっちでも描きやすい方!! (2019年1月15日 17時) (レス) id: ccc67f90c9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アカツキ@鞠 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/twrt5181222/  
作成日時:2019年1月1日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。