話題の彼女 ページ8
「へえ、心配してくれていたのか……うふふ。それで、結局如何なったの？」
此奴は本当に彼女の事が好きだな、と思う。
わくわく、という言葉がぴったりの表情で話の続きを催促してくる幹部殿に俺はこう答えた。
「結局、Aとは友人になった。」
「…………はぁ！？」
深夜十一時、銀座の某酒場にて。
「一寸待って。私そんな話聞いてないんだけど！？」
声を張り上げ、演技がかった様子でバンとカウンターを叩いた太宰。
いち早く何かを悟り、さっとグラスを上げた安吾のウヰスキーは無事だった。
「もっと早くに言えば良かったか、悪かった。」
「いや、そういう意味じゃあ無くてね？今日会った時にそんな重要な事を何故Aは教えてくれなかったんだ！って思って。」
「…そんなに重要な事なのか？」
「重要だとも。最重要さ！！」
「そうか…。」
「……織田作さん、…いや、何でもありません。そうなんですか。ついに巻き込まれましたね、彼女に。」
コトリ、と静かにグラスを置いた安吾は溜め息を吐く。だが、口元はうっすりと弧を描いているものだから不思議である。
一方、口を尖らせながら座り直す彼は子供が玩具を取られた時の様な反応で随分と分かりやすい。
太宰は形の良い唇を突き出したまま、まあ別に良いけど。と言った。それから唐突に機嫌を良くして私達に尋ねるのだ。
「じゃあこの空間に彼女を知らない者が居なくなったという訳だ。ねえ織田作、どうだった？彼女。」
まるで自分のペットを自慢するかの様な物言いに、内心引っかかりを覚えながらも、少しの間ではあったが、一緒に居て感じた事を簡単に伝える。
「そうだな……先ず、イメージと随分違かった。此方が戸惑うくらいに綺麗だったな。」
「……だよねえ！？」
安吾は頭を抱えた。マスターは小刻みに震えている。
それに気付いた安吾が、マスターに尋ねた。
「あれ、マスターは彼女に会った事が有るんですか？」
返事をしたのは太宰だった。
「うふふ、この前私が無理矢理連れて来た。」
語尾にハートマークでも付きそうな言い方である。何故か身震いをし始める安吾をよそに、俺は頷く。
「折角なら今度、4人でも飲んでみたいな。」
率直な感想を述べれば、丸眼鏡の彼は
�狄ヅ頂遒気鵝△發辰汎佑湛�んでください。��
と何時もの様に苦笑いした。
太宰も、何時もの様に笑っていた。
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ゆー - 初見です！すごくおもしろいです！！！更新頑張ってください！待ってます！ (2018年5月17日 12時) (
レス) id: bf6bf64614 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 碧さん» コメントと優しいお言葉をありがとうございます…！更新再開させて頂きました。良ければまた読んで頂けると嬉しいです…！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 15f8ca2f69 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - いつも楽しく読ませていただいています。ゆっくりでも全然大丈夫ですから、体調に気をつけて頑張ってください！応援しています！ (2017年11月27日 18時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 天衣失格さん» ありがとうございます…その様にお褒め頂き恐縮です……！これからもこの小説をどうぞ宜しくお願い致します！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっているのですか……！更新頑張りますね！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅき | 作成日時：2017年11月12日 21時
