彼の気になる物 ページ17
後ろから強く肩を掴まれる。
少しだけバランスを崩したが、その後何をしてくるでも無いので、私は準備を続ける事にした。
しゃがみ込んで、鍵穴に針金を通せば、かしゃん、といとも簡単に外れる見た目だけのそれ。
私の肩の高さが低くなった所為で織田作の手は宙に浮いてしまう。肩が軽くなったな、と考えていれば、同じ重みが今度は私の頭に乗せられた。
…少し重い。
「……取れるのか、それ。」
無視を決め込んで金属の足枷を外していれば、彼が徐に口を開いた。
当たり前だ。…というよりもマフィアの作戦参謀ともあろう者がピッキング位出来なくてどうする。
そんな事を考えながらも私はへらりと笑い返した。
「勿論。私が籠の中の哀れな鳥さんに見える？」
「見た目はな。」
「…言ってくれるじゃない、まあ織田作だしいいや。あのね、作戦参謀様は意外とフットワークが軽いのよ。」
肩を掴んだ目的はもう忘れてしまったのか、彼はそうか、と然程興味も無さそうに呟いてから私の頭を撫でる。暫く放置していれば飽きたのか、頭から手を離し、その手を私に差し出してくれた。
手を乗せれば強い力で腕を引かれる。
おお、と関心した様な声をあげれば、彼は首を傾げた。
「取れるなら、何故付けているんだ？」
……興味はあったらしい。
コテン、と首を傾げる彼は身長が高く男らしいのにも関わらず、可愛いと感じてしまう。
「もしかして、首領の命なのか？」
私が答える前に彼はそう呟き、難しい顔をする。恐らく、悩んでいるのだろう。
周りに飄々とした人間しかいない為、こういう反応は新鮮である。
「真逆。合理主義代表のあの人がこんな無駄な事をする筈が無い。前の首領の趣味だよ、悪趣味でしょう？」
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彼は、何時もの表情で頷いた後、もう一度キュッと眉間に皺を寄せた。その様子がなんだか面白くって、私はクスリと笑みをこぼす。
「ふふ。今、じゃあ何で付けてるんだ？って思ったでしょ。理由は単純、�爐修譴辰櫃き瓩�らだよ。嗚呼、後は筋トレかな。結構重いんだ、コレ。」
「へえ、重いのか。」
そんな言葉が返ってくるとは思わず、少し驚くも私は直ぐに頷いた。先程述べた様に、此れが重たいのは事実である。
「準備、まだ掛かるよな。その間、俺もつけてみてもいいか？」
「君が望…む、なら…いい……け、ど？」
…たっぷり彼と見つめあった後、私はぎこちなく頷いた。
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ゆー - 初見です！すごくおもしろいです！！！更新頑張ってください！待ってます！ (2018年5月17日 12時) (
レス) id: bf6bf64614 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 碧さん» コメントと優しいお言葉をありがとうございます…！更新再開させて頂きました。良ければまた読んで頂けると嬉しいです…！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 15f8ca2f69 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - いつも楽しく読ませていただいています。ゆっくりでも全然大丈夫ですから、体調に気をつけて頑張ってください！応援しています！ (2017年11月27日 18時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 天衣失格さん» ありがとうございます…その様にお褒め頂き恐縮です……！これからもこの小説をどうぞ宜しくお願い致します！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっているのですか……！更新頑張りますね！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅき | 作成日時：2017年11月12日 21時
