暗い部屋の星 ページ2
幹部になってから数年後の、ある日の事。
ポートマフィアの作戦参謀、通称
ポートマフィアの者ならば誰もが存在を知っている有名人でありながら、その正体は誰も知らない。
幹部の私ですら、幾ら調べても何も出てこなかった為に、一度安吾にそれとなく訪ねてみた事がある。
あの時は、物凄く苦い顔をされたなあ、なんて考えていれば私の口角は自然と上がっていった。
解らない。
嗚呼、未知との遭遇とは之程までに心踊る物なのか。
彼(彼女)の作戦書は何度か見た事があるが、珍しく舌を巻いた事を覚えている。緻密でありながらも大胆なその作戦は美しいとまで思えた程だ。
噂では脳だけの存在だの千年を生きた仙人だの言われてるけど…さてさて。一体どんな人やら。
コンコンコン、とノックを3つ。
返事を待たずに己のカードキーを差し入れれば、扉からガチャリ、と音がした。
幹部になった日に差し込んだ時は、一切反応しなかった其れ。今日は仕事をしてくれる様である。
(…一応、上司なんだけどなあ。)
そんな事を考えながらもあの時、唯一。安吾から聞き出せた部屋に入る為の手順を記憶から掘り起こす。
�爛離奪�を3回、それからカードキーを差し込むだけです。嗚呼、あの人は返事をしませんから、律儀に待たない方が身の為ですよ��
私はその言葉を信じて、ドアノブを捻る。
これまで、彼の情報が間違えていた事が有っただろうか？
期待に胸を高鳴らせながら扉を開けば、小さな部屋には、本の海が広がっていた。
試しに一つ手に取って、パラパラと頁をめくってみる。何語なのかすら分からない文字の羅列に読む事を諦めれば、奥からバサバサ、と落下音が。
どうやらお目当ての人物はデスクワークをしている様だった。しかしその顔は、机に高く積まれた本の所為で拝めない。
私は意を決し、本を踏まない様に気を付けながらも机の近くへそっと近付いていった。
やっと銀色に輝く、星の様な長髪が見えてきた時。その人は気まぐれに顔を上げたのだった。
視線が絡まる。
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ゆー - 初見です！すごくおもしろいです！！！更新頑張ってください！待ってます！ (2018年5月17日 12時) (
レス) id: bf6bf64614 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 碧さん» コメントと優しいお言葉をありがとうございます…！更新再開させて頂きました。良ければまた読んで頂けると嬉しいです…！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 15f8ca2f69 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - いつも楽しく読ませていただいています。ゆっくりでも全然大丈夫ですから、体調に気をつけて頑張ってください！応援しています！ (2017年11月27日 18時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 天衣失格さん» ありがとうございます…その様にお褒め頂き恐縮です……！これからもこの小説をどうぞ宜しくお願い致します！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっているのですか……！更新頑張りますね！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅき | 作成日時：2017年11月12日 21時
