サディスト少女は今日も今日とて、【文豪ストレイドッグス】 (ページ9)

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第８話ページ9

簡単に経緯をまとめるとこうである。

吉屋に良い死にかたがある。と言われ、それに飛び付いた太宰。
特に調べもしないまま、教えられた通りに準備をして彼女に見守られながら其れを試したそうだ。
ところが、いざ試してみると何故か苦しいばかりで一向に死ねる気配がない。

隣で見ていた彼女にそれを問えば、返ってきたのは意地悪な笑み。

「そりゃあそうだろうね。だってそれ……」

--------拷問方だもん。

「…ね?酷いでしょう？」

「……どっちもどっちだと思いますけど。」

其れを聞かされた少年は何だか先程よりも顔色が悪い様に見えた。

ちなみに何故僕に連絡を?
そう問えば太宰ではなく、当たり前の様にAさんが言う。

「いやいや、太宰を知っている人ならば殆どの者がこう言うと思うけどねえ。」

〝良かったじゃん。おめでとう〟

…納得だ。
皆薄情だよねー。等と良いながら泣き真似をし始めた彼に取り敢えず一言。

「いや、自業自得じゃないですか!!」

僕は溜め息をつきながらドラム缶を倒した。

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…何だろう。異能力集団、武装探偵社のイメージがどんどん崩れていく。
今日何度目かの溜め息をつく。

……其れはさておき。
僕は当前の様に自身の隣を歩く二人の男女に話し掛けた。

「あの…今日はどちらへ?というか僕はお二人に着いていっても良いんですか?」

返ってきた答えは予想外の物であった。

「勿論。……寧ろ君が居ないと困る用な用事、かな。」

…僕?
首を捻れば、今度は太宰さんが説明を付け足してくれた。

「君に仕事を斡旋しようと思ってね。」

仕事。その言葉に少年の表情は一気に明るくなる。

「良いんですか…!」

二人の微笑みを肯定と受け取る。純粋に嬉しいし有難い。

「あー…でも、ちょっと用事があるからここらで私とはお別れだけどね。」

…え。
意地悪なだけでAさんは一応常識人だったのに…!

太宰さんと二人何て大丈夫だろうか。そんなことを考えながら顔を上げるとどうやら彼もAさんの用事、とやらを知らなかったらしい。少し驚いた様子で問い掛けた。

「君がこの手の事の同伴をしないなんて珍しいね。そんなに重要な用事なのかい?」

うーん。
少し悩む素振りを見せてから彼女は爆弾を落とす。

「デートとおつかい?」

一瞬の静寂。

目を見開いて固まる太宰さんを無視してAさんは別れの挨拶を述べてから人混みへと消えていった。