《完結》 ☆― two of a kind ―☆ ﾆﾀﾓﾉﾄﾞｳｼ＜Kazunari.Ninomiya＞ (ページ9)

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☆― ９ ―☆ ページ9

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二学期が始まってもそれはなんら変わらなかった。

学年の違う私と二宮(弟)が偶然会う。

なんてことは、狭い学校内でもあり得ない。

(だってあの頃の１年と３年は“月とすっぽん”くらいの差があったもの！)

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A『(ｷｮﾛ(ﾟ.ﾟ*)(*ﾟ.ﾟ)ｷｮﾛ)』

『A？聞いてる？』

A『…あ、うん、それで？』

『でねー♡ 体育祭の日に“俺のを着て”とか言われちゃってー♡(ﾃﾞﾍ)』

A『(ｷｮﾛ(ﾟ.ﾟ*)(*ﾟ.ﾟ)ｷｮﾛ)』

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分かっていたのに――――。

移動教室の合間や、トイレに行く時、

掃除の時間まで、

私は二宮(弟)を探すようになっていた。

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２学期の、１０月半ばにある体育祭は、

うちの中学では受験前の最後のイベントで。

(文化祭もあるけどそれは２年生が中心で３年生は自由参加。)

グラウンドを使う機会が全学年で増えた。

私のクラスは４階建て校舎の３階のど真ん中で、

窓際の席ならどこからでもグラウンドを見下ろすことができた。

毎日、どの時限からもそこからは誰かしらの声が聞こえていて、

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二宮『コレどうすんのー！』

A『ッ！？』

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それまでは気にもしなかった声が気になるようになったのは、

その頃から―――――。

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二宮『あはははッ！』

A『(……笑ってる。)』

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二宮家には何度も遊びに(違うッ！勉強しに！)行ったけど、

友達と楽しそうにしてる二宮(弟)を見るのは初めてで。

(家にいるときは漫画読んでるかゲームしてるかのどっちかだったから。)

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A『………。』

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私はあの日の事をものすごく気にしてたのに―――――。

毎日眠れないくらい気にしてたのに―――――。

コイツは――――、二宮(弟)は――――、

何もなかったみたいに友達と楽しそうに笑ってて―――――。

それがすごく―――――、すごく―――――、悔しかった。

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