23.容態アンノウン!。 ページ23
「まだ痛みは続くか?ルシルよ。」
「はっ、はっ、リリ、ア、せん、ぱ、い?」
一方その頃、ルシルの居る別室にはファテルに呼び出されたリリアが訪れていた。
リリアが視線を向けた先には息も荒く呻き声を上げながら苦しむルシルがいた。
ルシルの周りにはバケツや袋が置いてあり、付近には血だらけのタオルやティッシュが散乱している。
「ファテル、ルシルの容態は?」
「見たままだ。おそらく体内で魔力が暴走している。今回は特に酷い。前までは痛みだけだったが今回は嘔吐や喀血・吐血が度々ある。痛みを引かせても意味が無い。魔力ばかりは俺もどうすることも出来ない。」
年々酷くなる症状に、何か成長が関わっているのかもしれないが、本当に何も分からないとファテルは明かす。
「魔力は人並み程度だと言うのに。何故体内で魔力が暴走するのじゃ…。このような現象はワシも見たことがない。」
リリアがルシルの額にそっと手を置くと、ルシルから光と共に魔力がほんの僅か外に放出され、静かに眠りについた。
「一時的に魔力を外に逃がしておいた。マレウスにも1度見せてみた方がいいじゃろう。明日にでも向かわせよ。」
「恩に着る、ヴァンルージュ。」
部屋からそっと出ると、リリアはファテルに目を向け、クスリと笑った。
それが気に食わなかったのかファテルは顔を歪める。
「ンだよ。」
「いや、珍しいと思うてな。余程ルシルを大事にしてるんじゃのう。」
「そーゆーお前こそ、白いガキを丁重に育ててるだろーが。」
リリアはいやぁ、シルバーは可愛くてのう、と微笑み、チラリとファテルに視線をやる。
「ルシルは拾ってきただけだ。」
「てっきり攫ってきたと思っておったが違ったのか…。」
「ッチ。勘のいい年寄りは俺は嫌いだね。」
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がばり - 気長に待っていますね 遅くなって申し訳ありません。合格おめでとうございます! (2022年3月31日 15時) (レス) @page41 id: cfe5869198 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 合格おめでとうございます。更新頑張ってください! (2021年2月3日 9時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続きがとても気になります!応援しています! (2020年6月17日 13時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
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