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「A」

「実弥さん!」









手に持っていた香袋を後ろに隠して、実弥さんの元へ駆け寄る。

任務帰りなのか、頬に出来た真新しい切り傷が気になった。









「動いて大丈夫なのか?」

「はい、なんともありません。お疲れ様です実弥さん」









実弥さんを見上げるとぱちりと目が合う。やはり少し顔色が悪い気がする。


実弥さんが体調悪いなんて珍しい。


やっぱり実弥さん程、強く鍛えている人は違うんだろうか。









「体調、悪いんですか?」

「あー………あんま眠れてねェからな…」

「夢見が悪いんですか?」

「……ちょっとな」









実弥さんは誤魔化す様に、俺の頭を撫でた。

今まで実弥さんと暮してきてそんなこと一度もなかったはずだ。珍しく曖昧な返事に首を傾げる。










「俺のせいですか?」

「ちげェよ」

「………俺のせいですね」










困った様に笑う実弥さんがいくら誤魔化しても、長く一緒に居ればそのくらい俺でも分かる。


何か俺のせいで実弥さんに迷惑をかけていることくらい。










「…お前を殺す夢ばかり見る」

「何度でも殺してくれて構いませんよ?」









へらりと笑って実弥さんを見上げると、困った様に溜め息をつかれた。


きっとあの日の事を引きずっているんだろう。


俺の事なんて気にしなくていいのに、本当に実弥さんは優しい人だ。









「もう任務は終わりですか?」

「あぁ、もう帰るだけだ」

「じゃあ一緒に休みましょう」









実弥さんの手を取って、自分の病室へと歩く。

そんな俺のことを実弥さんは不思議そうな顔をしたまま黙ってついてきてくれた。









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303(プロフ) - 実弥さんも夢主もめっちゃ好きです!不器用でとっても優しいところ可愛いすぎます(^^)これからも応援してます (2021年1月4日 4時) (レス) id: e43609f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり(プロフ) - やばい面白いですね(語彙力)めっちゃ好きです!! (2020年12月1日 14時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝ギ | 作成日時:2020年11月1日 22時

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