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「や、やめてください!Aさんは今動ける状態では…!」
遠くで慌てた様子の神崎さんの声がした。
声の張り上げ方からして何かが起きているに違いない。
それに俺の名前が聞こえたのが気になって、声のした庭へと急ぐ。
「よォ、A」
「…実弥さん」
そこには刀を持った実弥さんが居た。
まだ心の準備が出来ていない俺は、あまりにも予想外の事に驚きを隠せない。
胡蝶さんからこの体質の事を聞いたのだろう。
「刀持てェ、てめぇの口から直接聞かせろ」
「……はい」
「やめてください!Aさんの怪我は酷いんですよ!」
「ごめんね、実弥さんの言葉は絶対だから」
俺の体を心配して病衣の裾を強く握るきよちゃんの頭を撫でる。
庭に下りた俺に、実弥さんは刀を投げてきた。部屋に置いていた俺の日輪刀だ。
実弥さんが握っているのも同じ日輪刀。
実弥さんとの訓練では、日輪刀なんて使った事がない。いつも木刀だった。
本気だ、本気で確かめに来てるんだ。
そう確信した途端、恐怖からか冷や汗が止まらない。
実弥さんの機嫌は、見て分かる程とても悪い。それは紛れも無く俺のせいだ。
「本気で来い」
「はい」
狐面をきよちゃんに託して、刀を構える。
今まで向けられたことのない気迫と殺気にたじろいでしまうが、これは死を覚悟で挑むしかない。
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303(プロフ) - 実弥さんも夢主もめっちゃ好きです!不器用でとっても優しいところ可愛いすぎます(^^)これからも応援してます (2021年1月4日 4時) (レス) id: e43609f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり(プロフ) - やばい面白いですね(語彙力)めっちゃ好きです!! (2020年12月1日 14時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝ギ | 作成日時:2020年11月1日 22時