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「さっさとしろ」
「はい、あれ？実弥さんは隊服なんですか？」
「……俺には向かねェからな」
実弥さんの言葉にどういう事かと暫く考え込む。
ああ、顔が怖いと言われることを気にしているのか。
久々に袖を通した普段着は勿論、実弥さんが選んでくれた物だ。俺の少し前を歩く実弥さんは、黙ったまま。
「実弥さん、どちらに向かうんですか？」
「吉原」
「珍しい所ですね」
小走りで実弥さんの隣に立つと、さりげなく歩く速度を合わせてくれる。
こんなに優しい実弥さんを怖いだなんて言う奴、俺がぶっ殺してやるのに。
「あー、これ程の美人は中々居ないからね、よく覚えてるよ」
「助かります、ではどちらで？」
やはりこの写真の人は、記憶によく残る程の美人だ。
写真を見せて尋ねるだけで、すぐに情報が手に入りそうだと安堵した。
少し離れた場所から、こちらを見る実弥さんにちらりと視線を向けて微笑む。
「しかしわざわざこんな所まで大変だねぇ。あー、どこの店で見かけたかなぁ……いやぁ、思い出してやってもいいけどねぇ…」
俺を上から下まで舐めまわすように見る中年の男は、にやにやと嫌な笑みを浮かべている。
上から目線な発言に少し苛立ったが、俺は外行き用の人当たりの良さそうな笑みを崩さずに、わざとらしく小首を傾げた。
「あんたみたいな美人も早々に見かけないもんだからねぇ……少し一緒に着いて来てくれれば…よーく思い出すかもしれないねぇ」
ああ�爐修辰舛力鱈瓩�。
何度も何度も聞いたことのある台詞に、反吐が出そうだった。
普段の俺なら恐らく暴言を吐いている事だろう。だが今日は任務中だ、しかも実弥さんと一緒に。
「俺、男なんですけど」
「それはもっと都合がいい！これ程の綺麗な男だともっと…」
褒められているのか、貶されているのか分からないが嬉しいことは何一つない。
にやりと笑った男の手がゆっくりと俺の顔に伸びてくるのを、ただ黙って見ていた。
「俺の連れに手ェ出すとは、いい度胸してんなァ」
「ひっ！？」
その男の手を勢い良く掴みあげ、俺の首に反対の腕を回す実弥さんは、とてもお怒りの様子だ。
その男は実弥さんの迫力に、情けない声を出すと一目散に逃げてしまった。
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303(プロフ) - 実弥さんも夢主もめっちゃ好きです！不器用でとっても優しいところ可愛いすぎます(^^)これからも応援してます (2021年1月4日 4時) (
レス) id: e43609f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり(プロフ) - やばい面白いですね(語彙力)めっちゃ好きです！！ (2020年12月1日 14時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2020年11月1日 22時
