【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ5)

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｢わーたーしーがー！！普通にドアから来た！！｣

HAHAHAと軽快に笑いながらドアから姿を見せたオールマイトにクラスの皆の目が輝く。

僕の嫌いなプロヒーローの登場に、教室の雰囲気は歓喜に満ちていた。

｢ヒーロー基礎学！ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う課目だ！早速だが今日はこれ、戦闘訓練！｣

入学前に送った個性届けと要望に沿った戦闘服(コスチューム)が壁から出てきたことにこの学校の設備は凄いな、と驚いた。

用意された黒のセットアップ風の戦闘服に着替えた僕は着心地の良さにサポート会社を心の中で絶賛した。素晴らしい。

何もかも希望通りだ。

｢……椿くん、やっぱ目立つなぁ…｣

｢君はあまりパッとせんね｣

｢あっ、｣

慌てて口元を押さえる緑谷くんの顔を覗き込むと、彼はあっという間に顔を真っ赤に染めた。

どうやら口に出すつもりは無かったようで、自分の事ながら驚いている様だ。

｢君、爆豪くんと友達なん？｣

｢かっちゃんとは、幼馴染で…｣

｢へえ、幼馴染｣

まさかそんな深い関係だったとは。それに幼馴染にしては彼と爆豪くんは特別親しいような関係には見えなかった。

まぁ、僕と焦凍もそんな感じだから変な偏見はよしておこう。

｢爆豪くんって昔からあんな感じなん？｣

｢あー…そうだね。嫌な奴だけど、凄いんだ。目標も…自信も…体力も…個性も、僕なんかより何倍も凄いんだ｣

そう言った緑谷くんの目からは、彼のことを尊敬しているのだと感じとれた。

どうやら一方的に爆豪くんが敵意を向けているだけなんだろう。

彼らの問題はよく分からないが、複雑でとても面倒くさそう。あまり関わりたくない。

｢椿くんの個性ってどんなの？｣

｢そうやね、君が手も足も出ない個性かな｣

にんまりと笑う僕に対し緑谷くんは不思議そうに大きな瞳をきょとん、とさせていた。

話し込んでいた間にグランドに着いた僕は皆の後ろに並ぶ。様々な戦闘服に身を包んだクラスメイトはヒーローっぽくて嫌になる。

｢屋内での対人戦闘訓練さ！敵退治は主に屋外で見れるが統計でいえば屋内の方が凶悪敵出現率は高いんだ。軟禁・裏商売…このヒーロー飽和社会。真に賢しい敵は屋内に潜む！！｣

2対2に分かれて行われる屋内戦。

くじによって公平に決められるペアの相手は誰なのかワクワクする。こんなこと出来るなんて流石ヒーロー科。

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