【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ6)

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くじ引きの結果、僕のＢチームのペアは焦凍となんとかくん。

焦凍と目が合うとあからさまに嫌な顔をした彼に、わざとらしく笑顔でひらひらと手を振る。

僕らは3人チームだが〝運も実力の内だ〟とオールマイトはにこやかに笑っていた。

地下のモニタールームに移動すると、各生徒の対戦の様子を見ることが出来るらしい。ここで爆豪くんと緑谷くんを観察する絶好の機会。

2人の様子を傍観できるのは、他人事だからこその楽しみ。

音声は聞こえないが、僅かな口の動きから読み取れる彼の言葉は私怨が蠢いている。

〝おれをだましていたんだろ〟とはいったい何のことなのか。普段の言動や態度から見て彼は自尊心の塊みたいなもの。

1番めんどくさくて、嫌いなタイプの人間。

〝てめぇはおれよりしただ〟と彼の言葉を読み取って僕は納得した。緑谷くんを見下していたのに何かで騙されていた？

｢ヒーローチームＷＩＩＩＮ！！！｣

オールマイトの声が聞こえ、モニターに視線を移すと既に戦闘訓練は終わっていた。ほぼ無傷にも関わらず酷く動揺する爆豪くんの顔。

講評の最中も爆豪くんはずっと俯いたままで、僕は笑ってしまいそうな口元を手で押さえる。

第2戦の直前、僕は我慢が出来ずに爆豪くんに近付いて両頬を掌で押さえて無理矢理、上を向かせた。

｢ふふ、ええ顔やね爆豪くん。その大きな自尊心折れてしもうた？今まで挫折を経験したことないん？｣

最初は驚愕な表情をしていた彼だったが、僕の言葉を聞いてから凄い血相で睨みつけてくる。

慌てたオールマイトの静止の声が聞こえていなかったのか、僕の顔の前で爆破をした彼。

その爆破は僕の個性で花弁へと変わりヒラヒラと宙に舞って消えていく。

微かな花の匂いが鼻を掠めて僕は満足気に笑った。

｢椿少年、そろそろ行かないと間に合わない｣

顔はにこやかに笑っていたオールマイトだったが、僕が個性を使おうとすればすぐに爆豪くんを助け出せるように構えていた。

きっと中学でのあの誘拐未遂事件のこと教師の間では知れ渡っているんだろうな、と僕は小さく溜め息をつく。

｢お待たせー、いきなりで悪いけど名前なんやったかなぁ｣

｢障子目蔵だ。四階北側の広間に一人、もう一人は同階のどこか…素足だな…透明の奴が伏兵として捕らえる係か｣

｢すごいね｣

障子くんの触手がギュルギュルと動いて喋っていた。異型系の個性は容姿がわかりやすく変わる。

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