【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ33)

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｢死ねぇえ！！｣

前から飛んできた爆豪くんに手をかざす。

僕に突っ込んでくるなんて、馬鹿な奴だとと思ったが急に軌道修正をして背後に回られる。

しまった、と思い無意識に落椿を使用したのが間違いだった。どこからか現れた朱い大太刀を手にし、素早く鯉口を切ってしまった。

反射神経の良い爆豪くんは、間一髪で避けた。

｢なんだ…それ……｣

我に返った時には既に遅く、唖然とした表情で目を見開く爆豪くんと視線が交じる。

幸いにも煙幕のせいで爆豪くん以外に気づいた者は居なかった。

｢降参｣

両手を上げてにんまりと笑うと凄い勢いで彼は僕の胸倉を掴んできた。

そりゃそうだろう…僕が彼の立場でも腹が立つ。

｢どういうつもりだテメェ…それにさっきのは何だ｣

｢後で説明するから今ここで話すのは勘弁してくれへんかなぁ｣

爆豪くんは少し考えて〝分かった〟と手を離してくれた。

言ったものの、まさか納得してくれるとは意外だったがここで落椿を披露してしまったばかりにこれ以上メディアの前で曝け出されるのは勘弁して欲しかった。

爆豪くんも口が軽い訳では無さそうだし、約束してしまった以上とぼけるのは難しそうだ。

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迎えた表彰式で僕は３位だった。

事情により早退した飯田くんはおらず、決勝で納得のいかない勝ち方をした爆豪くんは暴れまわり、拘束された状態で１位の位置に立っているものの、凄い血相で焦凍を睨みつけている。

｢椿少年おめでとう！強いな君は！個性を満足に使えばまだまだ上に行けただろうが、そんなに嫌かい？｣

｢まだ、だめやから｣

｢深くは聞くまいよ。君なら大丈夫だ｣

オールマイトは僕にメダルをかけると、激励の意を込めて優しく抱擁し背中をポンポンと叩いた。

何事も無く終えた体育祭。

だが僕らを取り巻く環境は少しずつ変化を見せ始める。

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