【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ21)

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－－－－－－体育祭当日。

｢皆、準備は出来てるか！？もうじき出場だ！｣

｢コスチューム着たかったなー｣

｢公平を期すため着用不可なんだよ｣

クラスメイトから漂う緊張感の中、僕の横に座っていた焦凍がいきなり立ち上がり緑谷くんの元へと向かう。

なんだろうと思ったものの、声をかけずに目で彼を追っていた。

｢緑谷｣

｢轟くん………何？｣

｢客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う｣

｢へ！？うっ、うん…｣

焦凍の言葉に緑谷くんは肩をビクリと震わせる。

どうして焦凍がわざわざ緑谷くんに？とは思ったが僕には関係ないので眺めるだけにする。

｢お前オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねえが…おまえには勝つぞ｣

なるほど、オールマイト絡みかな。

ヒーロー志すなら誰もが憧れるであろうオールマイトの存在の大きさは、この僕ですら感じることが出来る。

それはまさに平和の象徴

喧嘩腰で宣戦布告をする焦凍を止めに入る切島くん。

だが緑谷くんも負けてはいない。

彼の放つ言葉からは意思の強さや覚悟の重さがあった。

〝僕も本気で獲りに行く〟

つくづく緑谷くんは、僕の癇に障る。

自分にはないものを持っている彼に対し苛ついているのだと思う。彼とは一生分かり合えない気がした。

まぁ、優しく人当たりのいい性格は嫌いじゃないが自分の内面を曝け出されそうで、僕はあまり緑谷くんには近付けなかった。

『雄英体育祭！ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル！！！

どうせてめーらアレだろ！？敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星！！！

ヒーロー科！１年！A組だろぉぉ！？』

マイク先生の声が場内に響き渡る。

随分と持ち上げられているA組に対し、他クラスは引き立て役のようにたいした紹介がないまま登場する。

こりゃあ、他クラスの生徒は腹立つやろうなぁ…なんて彼らの心情を察して僕は口元が緩むのを必死に堪える。

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