【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ22)

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選手宣誓は入試一位通過だった爆豪くんが行ったがいったい彼はどんなことをしでかしてくれるのかと、わくわくしていた。

｢せんせー、俺が一位になる｣

本当に彼は僕の期待を裏切らない。

もちろん他クラスからの反感を買ってしまったが戦闘訓練前の彼とは違う、自分を追い込んでいるつもりなのか。

｢椿、お前にも勝つ｣

通り過ぎ様に耳元で発せられた僕個人への宣戦布告。

わざとらしく舌を出し親指を下に向けると爆豪くんから睨みつけられた。

第一種目は〝障害物競走〟

画面に映し出された文字を眺めながら、いったいどんな障害物が出てくるのかと不安と期待が交じる気持ちを落ち着かせるために深呼吸をする。

あまり目立たないようにするのが１番だ。

変に目立つとあの事件のことが浮き彫りになって被害者が僕だと気付かれる。

あの事件は犯人が死亡したことで、情報が未明になっている事が多い。

一時期は雑誌や新聞で騒がれたものの、３年もの月日が流れれば次の話題に飲まれる。

たが、未だにあの時の敵には熱狂的なファンがいるのは事実。

｢計11クラスでの総当りレースよ！コースはこのスタジアムの外周約4キロ。我が校は自由さが売り文句！ウフフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ！さあさあ位置につきまくりなさい…｣

ミッドナイトの言葉にぞろぞろとスタート位置に立つ。

パッと信号が変わるごとにみんなの表情が強ばる。

いよいよ始まるこの戦いをどう攻略しようかとぼんやりと考えながらスタートの合図と共に駆け出す。

｢最初のふるい｣

スタート地点から始まる最初の攻撃。

それを仕掛けてきたのは言うまでもなく焦凍だった。

｢ってぇー！何だ凍った！動けん！｣

｢んのヤロォオオ！！｣

容易くその氷結を避けたのは僕だけではなくA組のクラスはもちろん他クラスの生徒も思いの外、避けていた。

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