【文スト】肆・ネットでマフィアの首領と友達になってた件

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国木田に向かって猪の突進如く向かってきた化物は、片手に日本刀を携えていた。それを型関係なくバッドのように振り下ろしてくる相手の力を利用して、地面へと叩きつけた。

谷崎の異能力により奇襲用に姿を晦ました二人は距離を一気に詰める。天獄は恐らくリョウメンスクナの入っている厨子の前に立っていた。

与謝野は怪物の攻撃を躱しながら、へと鉈を振り下ろした。

碧海に狙いをつけていた怪物は彼女にむけて目玉が無数についたその腕を振り下ろしてきた。回避しつつ、体勢を崩しつつも、目玉の一つに向けて弾丸を放つ。二発放ったうち、発砲音に気づいたらしく、一発は目玉に命中したが、二発目は床とタイルへと着弾した。命中したソレは、目潰しを食らった原理か痛みにのたうち回っていた。いつの間にか詰め寄っていた二匹目が横から体勢を崩した碧海の身体をぶん殴る。強化したとはいえ、向こうの怪力はバキバキに割れ、穴の空いてしまったタイルの惨状を見るだけでも理解していたが、思った以上に衝撃は酷いものだった。

「いや、これ強化なかったら私死んでたわ」

叩きつけた余波によって瓦礫と化した床にて、碧海は咳こみながらボヤいた。そのまま二撃目を撃ち込もうとする怪物を、一瞥すると指を鳴らした。碧海に向かって振り下ろされていたはずの怪腕は、虚空に鉄槌を下していた。

「異能力『灯火に揺れる』───残念、はーずれ」

語尾にハートでも付きそうな甘ったるい声音で碧海は嗤い、賢治の名を叫んだ。

振り下ろした為、インターバル中の怪物の横面に、賢治の容赦ない剛力によって威力を上乗せされた床のタイルによる打撃が入った。殴打された右の顔は、綺麗に凹んでしまっている。

いや、もう賢治が最強である。

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