【文スト】ネットでマフィアの首領と友達になってた件

実況者の奇譚.9 ページ38

「お久しぶりです、リンタローさん」

待ち合わせの喫茶店前、十時。久々に会ったリンタローさんは、前よりも言葉では言い難いが、大人っぽさが増えた気がした。いや、私の語彙力が低すぎすのだけれども。

「久しぶり、ぱぺっとちゃ…」

「久しぶりね！A！」

リンタローさんの言葉を遮ってエリスちゃんが抱きついてきた。思わず固まってますよ、エリスちゃん。まあ、可愛いからいいけどね。エリスちゃんかわゆす。

「久しぶり、エリスちゃん。今日も元気溌剌だね」

頭をゆっくり撫でながら私は微笑む。エリスちゃんは抱きつくのを止めると、私の右の掌に自分の掌を滑り込ませてきた。

「手を繋ご！いいよね？」

有無を云わせぬ可愛い笑顔に思わず頷いてしまった。


その様子を外野から見ていた森は、その二人の様子を微笑ましげに見守っ(み)ていた。

「そういえば、リンタローさん、これから何処へ？」

手を繋いで暁は首を傾げる。森は少し思考を悩ませたあと、暁の隣へと歩き出す。

「ぱぺっとちゃん、そういえば新しいパンケーキのお店が出来たんだけど」

森は話題を提供する。それは、最近Twitterの広告で回ってきたものから知ったものである。

「あ、結月ってお店ですね。言ってみたかったんで、良いですよ」

暁は話の内容を理解し、その店を思い出す。一ヶ月くらい前にオープンしたのだが、仕事が忙しくて行けていなかったのだ。

「話が早いね」

じゃあ行こうかと、微笑いながら森は促す。暁もエリスもうきうきと手を上げて頷き、歩き出した。

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