【巨大企画】愛する君へ【実/.況.者】 (ページ13)

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「え？」

セピア先輩から発せられた声は微かに震えていた。

「えっ、嘘、本当に！？」

私の手をぎゅーっと握り、嬉しそうな笑みを浮かべる。

「俺も、Aちゃんのことが好き」
「えっ！？」
「だから…今、凄い嬉しい…」

その言葉を簡単に信じることは出来なかった。ずっと夢でしかないと思ってたから。私の恋は、私の頑張りは、無駄じゃなかった。
セピア先輩は目の前で頬を緩ませている。それが何よりの証だった。バク…バク…と胸の奥で大きな音が波打つ。今にも破裂してしまいそうだ。
気づいた時には既に遅く、私の口は自然と動き、セピア先輩に一つの宣言をしていた。

「私、セピア先輩と同じ大学行きます！絶対に追いついてみせますから、待っててください！」
「うん。待ってる」

セピア先輩は幸せそうに笑った。

*

あの時から約一年が経ち、再び春が訪れた。
桜の花弁がふわりふわりと宙を舞う。それはまるで私の入学を祝ってくれているようにも見えた。

「おめでとう。Aちゃん」
「ありがとうございます！セピアさんのおかげです」

真新しいスーツに身を包んだ私は今日から大学生になる。それも、セピアさんと同じ大学の。
薬指には二人で購入したペアリングが光る。

「これからまた一緒だね。改めて、宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします！」

私は今、大好きな先輩の隣にいる。
ただの後輩じゃなくて…セピアさんの恋人として。