拾(Sasa猫) ページ13
それからは柱としての任務が多々あった。
正直、姉さん一人でも狩れそうな鬼ばかりで私は見ていることの方が多かった。
休みの日は、姉さんと甘味処巡りをした。
甘いものを食べれてとても幸せな気分になれたし姉さんも幸せそうに食べてた。
多忙極まりないある日のこと。
今日は柱合会議がある日。師範と会うのは久しぶりだ。
姉さんに手を引かれて柱合会議がある場所まで行くと一人の少年がぼんやりと空を見上げて立っていた。
誰だろ。見覚えはない。
でも私と似たような雰囲気を感じる。
少年がこちらを見た。パチっと目が合う。
「……誰?」
「あなたこそ、だれ?」
「僕……?無一郎」
「無一郎。私、紬。こっち姉さん」
「ねえさん?」
無一郎が姉さんの方を見る。
その姿が何処か私を彷彿とさせたのか姉さんはふふっと笑った。
「私は凛華。花垣凛華よ。君は無一郎君だっけ?よろしくね」
「凛華?」
「そう。覚えててくれたら嬉しいな」
「……うん。おぼえた……とおもう」
あーーそれは多分覚えてないかんじかなぁ。
まあいいけど。
なんか二人で話してるからちょっとぐらい別の場所にいっててもいっか。どうせなら日陰の場所がいい。
ちょうどいい木の下でポカポカ陽気に当たりながらウトウトしているとペシッと頭を叩かれた。この容赦ない叩き方は間違いない。
「……師範?」
師範だ。
目を開けると師範がピキピキと青筋を立てていた。
「おいこらてめぇ。柱合会議が始まるってのに寝入ってる馬鹿がどこにいやがるぅ」
「……ここ?」
「っこの馬鹿弟子がァ!!ちったぁ柱としての自覚を持てぇ!!!」
ガミガミとお叱りを右から左へ流していると柱が集まってきた。しのぶさん、悲鳴嶼さん、冨岡さんについこの間炎柱に襲名された煉獄さん、お館様も来たから柱合会議が始まる。
今回は新しく柱の仲間入りを果たした無一郎も一緒だ。
わー同士よー。気の向くままに一緒に空を眺めよー。
報告はしっかり者の姉さんがやってくれている。
とてもありがたい。後で甘いものでもご馳走しようと思う。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ