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「この一年......元太くんのことずっと見てたよ」
Aは少し困ったような顔をして言った。
「すごく頑張ってることもわかってた。元太くんならきっとどんなことにも負けないし、どんな夢も叶えていけるって信じてた。今もね」
「そう。俺頑張ってたよ。頑張って、いい男になって......Aとまた一緒にいられるように、って」
「だから私は別れようって言ったの」
「えっ？」
「私のことなんかに気を取られてないで、もっと先に進んでほしかったから。......元太くんの足手纏いにはなりたくなかった」
そうして胸に秘めた何かを堪えるように、Aは笑った。
「だからいいの。元太くんのことなら私、遠くからだって見つけられる。離れてたって、いつだって応援してるから」
「A......」
そのとき、初めて、別れたあの日の記憶が間違っていたことに気づいた。
俺のこと、もう好きじゃなくなったんだと思ってた。
だから、別れようっていう一方的な申し出を受け入れるしかなかった。
でも、そうじゃなかったんだと今ならわかる。
だって、Aと向き合っているだけで、こんなにも胸がいっぱいになっちゃうんだもの。
それってさ。
俺ら今、同じ気持ちでいるから、でしょ？
「......んだよ、それ」
腹が立ったから、Aの手をぎゅっと握ってやった。
一年ぶりに触れた肌の手触りに、想いはまた募る。
「俺にはAが必要。わかってよ、お願い」
「......」
「Aの言うように、俺はこれからも先に進んでく。だけど俺ひとりじゃ無理なの。A、一緒に行こう？」
「でも......」
「大丈夫。俺が連れてくよ」
見たことのない景色を見せてあげる。
君がそばにいてくれたら何も怖くない。
だからお願い、もう一度スタート地点に立たせてよ。
君との歴史をまた始めさせて。
史上最高スコアを達成してみせるから。
「改めて言うね」
「......」
「俺とつき合ってください」
返事も聞かずに抱きしめたら、腕の中の君は、小さく震えた。
「もう絶対離さないから」
fin.
デビューから一年。
ものすごい速さで進んでいく彼らに置いてかれないように(^^)
album発売が待ち遠しいですね！
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時間よ止まれ -T.G.I. FN- / k.ma→←LEVEL UP / g.m
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作者名：えみゅ | 作成日時：2023年3月25日 22時
