Twilight (ページ12)

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宝物の引き換えページ12

学校の水泳の授業なんて

なんの為にあるんだとずっと思って
真剣に参加した事なんて無かった。

こんな時に後悔する事になるとは。

『あと、もう少し、なのに…！』

泳ぐのが苦手な私は、お世辞にも上手いとは言えない
精一杯の平泳ぎでサンダルに近付こうと試みると

どんどん流されて行ってしまう。

『ダメだ…あれ、足…足がつかない、』

泳ぎ疲れて一旦休もうと足を伸ばして

そこで足がつかない所まで来てる事に気付いた。

YH『A！！危ない！』

『ユノ…！どうしよ…』

パニックになってどう泳げばいいのかもわからず
時々沈みかけながら必死にジタバタする私を見て

何か言葉を発しながら慌てた様子の
ユノも海に入ってきた

YH「A、大丈夫だから！落ち着いて！」

ユノは私を足がつく浅瀬まで連れて行くと

サンダルを取れなかった事と
溺れそうになった恐怖で泣いてる私に

YH「僕がとってくるから、Aは
絶対ここから動かないで」

と言い残してさっきよりも遠くなったサンダルが
浮かぶ方向に泳いでいった。

ユノは泳げるし私より背が高いから私が溺れかけた
場所よりも遠くにいた。

サンダルまでもう少しだけど…

全身ずぶ濡れになりながらだんだん遠ざかっていく

ユノを見てるとこのままもっと遠くまで行って

帰って来ない気がして

『ユノ！もう…サンダルなんてどうでもいいから…
今すぐ戻って…！』

そう大声で叫ぶと、
困ったように泳ぐのを止めるユノ

『お願いだから…戻って来て！早く帰ろ…』

何回も叫んでお願いすると何秒かサンダルを見つめてから、諦めたように引き返してきた。

『良かった…ごめんねユノ…帰ろ…』