世界の終わりから (ページ7)

今日:6 hit、昨日:17 hit、合計:28,142 hit

7話ページ7

ダリルside

「お嬢ちゃんよお。そんな勇気があるなら、あの汚い野郎どもを殺してからにしろよ」

リサの持つ銃に手を伸ばす兄貴。

「お嬢ちゃん、名前は」

「リサ」

「俺はメルル、コイツは弟のダリルだ」

そう言って、俺を指差す兄貴の背中を見て、ハッとした。

「とりあえずこれは預からせてもらうぜ。こんなのはお嬢ちゃんが持つモンじゃねえ」

自分のズボンにリサの銃を差し込んむ兄貴。

「お前1人なんだろ？暇つぶしに丁度いい。一緒に来てもらうぜ」

そうだ。リサは、兄貴の昔の女に似てるんだ。

兄貴が、唯一と言っていいほど心底惚れてたあの人に。

顔はそこまで似てないが、醸し出す雰囲気だとか、なにかが似てるんだ。

暇つぶしなんて言ってたが、多分そうじゃない。

兄貴は、昔の女に似てるリサに、なにかを感じたんだろう。

黙って頷くリサに、俺は心の中で少し同情した。

これからリサは、兄貴にどんな目に遭わされるのか。

ロクな目に合わないだろうと思うと、これから3人で行動するだろう事に、憂鬱感を感じるしかなかった。