世界の終わりから (ページ5)

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5話ページ5

「誰...？」

明るい茶色の髪に、青味がかったグレーの瞳。

がたいのいい身体つきで、手にはボウガン。

「ダリルだ。お前は」

「リサ」

なんでこの家にいるの？とか、そんな疑問が湧いて出てくる。

すると、更に別の声が部屋の入り口から聞こえてきた。

「なにか見つかったか？」

少し掠れたような男の声。

「あぁ、生存者がいた」

その声に応えるダリルだが、視線はずっと私に向けたまま逸らさない。

「生存者だと？殺しちまうか？」

ヘラヘラしながら、そんな恐ろしいことを口にした声の主が、ダリルの横にやってきた。

ダリルよりも年は上のように見えるその男は、少し柄が悪そうだ。

ニヤニヤしながらクローゼットを覗き込んだその男は、私を見ると少し驚いたような顔をした。

しかしすぐにまたニヤついた顔に戻る。

「女じゃねえか。ようお嬢ちゃん。こんなとこに隠れてなにやってんだ」

しゃがみこんで、私と視線を合わせた男は、ふと私の右手に握られた銃を見た。

「コイツ、自分の頭ぶっ飛ばそうとしてやがった」

ダリルがそういうと、男は少し楽しそうに声を上げて笑うと、

「お嬢ちゃんよお。そんな勇気があるなら、あの汚い野郎どもを殺してからにしろよ」

そう言って、私の銃に手を伸ばす。

「お嬢ちゃん、名前は」

「リサ」

「俺はメルル、コイツは弟のダリルだ」

そう言って、今だに私から視線を逸らさずメルルの後ろにいるダリルを指差す。

「とりあえずこれは預からせてもらうぜ。こんなのはお嬢ちゃんが持つモンじゃねえ」

メリルは私から銃を取って、自分のズボンに差し込んだ。

「お前1人なんだろ？暇つぶしに丁度いい。一緒に来てもらうぜ」

このまま死ぬしかないと思っていた私は、メルルの言葉にコクッと頷くしかできなかった。

これが、私の人生を大きく変える出会いになるなんて、この時はまだ思っていなかった。