世界の終わりから (ページ19)

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私はなにも言えず、メルルから逃げるように離れる。

いつもなら、そんなひどい事言わないでと笑って言えるはずなのに。

メルルはなぜかひどく傷ついたような顔をしていた。

だからなにも言い返せなかった。

1人で皆から少し離れた木の根元で休んでいると、グレンに声をかけられる。

「リサ、何かあった？」

その言葉に、なんて返そうか少し迷う。

「ううん、なんでもない。ちょっと私がバカな事しちゃって、反省してただけ」

自嘲的な笑みを浮かべながらそう返す。

「そっか。気にせず元気だしなよ。これから何人かで物資調達に行くんだ。メンバー決めするから、リサもおいでよ」

その言葉に私は立ち上がってグレンと一緒にキャンプの中心へと戻る。

もうすでにみんな集まって話し合いを始めていた。

今回は中心街まで物資を取りに行くらしい。

今のところ、メンバーの候補はシェーン、ダリル、メルル、私、グレン、ジャッキーだ。

しかしここでデールが口を挟んだ。

「このメンバーで調達に行くとなると、ここに残るメンバーの戦闘力に不安が残るんじゃないのか？特に、シェーンとダリル、メルルのうち誰か1人は残るべきじゃないか？子供達もいるわけだし」

確かにそれは言えてる。

物資の調達も大事だけど、だからといって残していくメンバーに危険が及んだとき、守れる人間が少ないのはまずい。

「じゃあシェーンに残ってもらおう。ただ、物資を運ぶ人手も必要だ。代わりにTドック、君にもきて欲しい」

グレンの言葉にTドックも頷く。

すると今度はメルルが口を挟んだ。

「弟とリサもここに残ってお留守番でもしといてもらおう。こいつらが来ても足手まといだ」

普段メルルは、物資調達のときダリルや私といつも一緒に行っていたから、思わずその言葉に驚いた。

それはみんなも同じらしく、なにかあったのかと私やディクソン兄弟をチラリと見ていた。

ダリルはなにも言わずに、ジッとメルルを見つめている。

「それなら私が行くわ。」

そう名乗りをあげたのはアンドレアだった。

「じゃあ俺も行くよ、たまには役に立ちたいし」

続けてモラレスが手を挙げる。

結局、今回の物資調達はメルル、Tドック、モラレス、ジャッキー、アンドレア、グレンの6人で行くことに決まった。