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18話 ページ18

(リサside)


私はなにがしたいんだろう。

少し前を歩くダリルの背中を見ながら、そっとため息を吐く。


さっきは正直、キスされるかと思った。


どんどん近付くダリルの顔が、私の心臓を有り得ないくらい暴れさせて。

もうこのまま死ぬんじゃないかってくらい息が出来なくなった。


思わずダリルの名前を呼ぶと、ダリルは「アホくせぇ」と言って離れていった。


その言葉の冷たさに勝手に傷ついて、なぜか泣きたくなった。

確かに私はアホかもしれない。

勝手に人恋しくなって。

勝手にダリルに触れたくなって。

ダリルにそれをアホらしいと言われ、それで勝手に傷ついて。

なんて自分勝手な女なんだと自己嫌悪してしまう。


ダリルといるこの時間が、いつもは楽しいはずなのに、今は息苦しくて仕方ない。


無言で森の中を歩くこの瞬間も、あまりの気まずさに耐えられない。


きっと彼は呆れている。

なにか話したいのに、なにを話せばいいのかわからない。


そうこうしているうちに、キャンプに戻ってきてしまった。




無言のまま目も合わさずにダリルと離れる。


キャンプにはさっきまでいなかったはずのメルルがいた。


目があったから、いつものようにメルルの元へ向かう。


「メルル、どこ行ってたの」


さっきのダリルとの一件のせいで、その兄であるメルルに対しても少し後ろめたさを感じながら話しかけた。


「別に俺がどこにいってようがお前には関係ねえ話だろ」


いつもと違うメルルの態度。

苛立ちを隠そうともせずに、私を鋭く睨みつけてきた。


後ろめたさも相まって、私はどうすればいいのか分からず立ちすくむ。


そんな私にメルルは舌打ちをして。

「お前をあの日助けたのが間違いだった。こんなバカな女だとはな」


全てを見透かすかのような言葉に、息が詰まった。

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設定タグ:TWD , ウォーキングデッド , ダリル   
作品ジャンル:恋愛
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ぺろ - 続きを楽しみにしてます (2022年7月15日 19時) (レス) @page25 id: 1cd0628146 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aaa | 作成日時:2021年1月17日 12時

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