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「大野さんとは知り合いなんだよね？この前ちょっとだけ話聞いたよ」
「え……どんな話でしたか！？」
「あはは。大丈夫、基本的に悪口とか言わないからあの人」
「それは、そんな気がしますけど…」
悪口ならまだいい方。
カズさんとのあれそれが漏れてたら恥ずかしくて松本さんの顔を直視できないよ。
「Aさんが和に泣かされてたって話」
「あああ！やっぱりその話ですか！？」
うわあやっぱり！やめて欲しいのに！
「あとはテレビで見るより美人だよ、とか」
そんな付け足したかのように褒められましても！
この気恥ずかしさは全く薄れてくれやしない。
恥ずかしくて顔を覆った私の腰にするりと後ろから腕が巻きつく。
「なーに二人で話してんのよ。俺のこと忘れてただろ」
「カズさん！」
び、びっくりした。
こんな不意打ちのように距離を詰められたのは初めてで。
「潤くんは既婚者のくせに人の女口説いてんじゃねえよ」
「ええ？心外だな」
驚いて硬直する私をよそに、カズさんはそのまま何事もなかったかのように私の腰を抱きながら松本さんと会話を始める。
「松本さんご結婚されてるんですね」
「うん。2年前にね」
「なんでちょっと残念そうなんだよお前は！」
「痛い！」
ひどい、事実を確認しただけなのにカズさんに頬をつねられた。
「本当に大事にしてるんだね」
…この状況を見てその感想が出てくるのは何故でしょうか松本さん。
「うるさいよ潤くん！」
ニヤニヤ笑う松本さんに対してカズさんは子供みたいな反論をしたと思えば、
「せっかく出張で料理作りに来てあげたのにその言い方は酷いなぁ」
「え、うん。それは本当に助かったけど」
わざとらしくしょんぼりしてみせる彼に今度はオロオロしだす。
私の前では見たことがないカズさんの表情に嬉しいような、ちょっとだけ悔しいような。
「料理用意するって、松本さんに頼むつもりだったんですね」
「そうそう潤くんの作るの何でもうまいから。俺潤くん大好き」
「止めろ、照れるわ」
止めろと言いつつも松本さんも満更ではなさそうで。
いいな微笑ましい……ん？
大好き？？はい？
彼女として聞き捨てならない言葉を聞いた気がする。
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紫苑(プロフ) - りえさん» リクエストありがとうございます。『ハラグロなふたり』の続きですね。鋭意創作中ですので今しばらくお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。赤菊の君の人気ぶりにびっくりしてました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ゆっこさん» リクエストありがとうございます。潤くん視点のお話書かせていただきました！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - mihoさん» リクエストありがとうございます。Lapis lazuliの続きですね！承知しました。ただいま創作中ですのでしばしお待ちください！ (2021年1月4日 13時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - るきさん» リクエストありがとうございます。『赤菊』の翔さんサイドを書かせていただきました！大野さんのお話はもうしばらくお待ちくださいね。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年1月23日 20時
