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大野さん、大野さん……っと。
連絡先からその番号を選んで発信する。
『、ぁい？』
「あ、大野さんですか？Aです」
『おぉ！Aちゃんかぁ。どしたぁ？』
「なんか…ちょっと……」
どうした、と言われるとなんとも返せなくて。
口ごもってしまった私の代わりに大野さんが言葉を繋ぐ。
『ニノ、大変みたいだね』
「あっ！はい。そうなんです…」
意外、と言うと失礼かもしれないけど大野さんがゴシップ記事とかワイドショーとかを見てるとは思わなくて。
驚いたと一緒にくすっと笑いが漏れてしまう。
『Aちゃんも辛いっしょ？』
「まぁ…事務所がピリピリしてますから」
『うーん……そうじゃなくって』
『気持ちの面で、嫌だったでしょ？』
柔らかな声で耳に届いたその言葉が瞳に水の膜を張らせる。
「……はい」
『んふふ。Aちゃんまた泣いてる』
「ごめっ、なさい」
『なーんであやまんの？いいじゃん泣きたいときに泣けば』
その言葉も、声だけでもニコニコしてるのがわかるような優しいもので。
『前に見た時も辛そうだったから、気にしてたんだぁ』
「辛そう、ですか」
『うん。椿を見るニノとおんなじ顔してたから』
「椿、さん…？」
『あれっ？知んなかったかぁ。ニノがずっと片想いしてた相手だよ』
そっか、椿さんっていうのね。
存在は知っていたけどその人の名前を知るのは初めてで。
そっとつぶやいた唇がじくりと痛んだ気がした。
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紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» あとがきにも追記しましたが、この二人のその後を短編で書き始めました。ぜひ覗いてみてくださいね。 (2020年6月7日 16時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - ものすごく楽しみです！またこの2人に会えるのを楽しみに日々の生活頑張ります。こんな時期ですので御無理のないよう創作して下さいね。 (2020年6月6日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» 労いのお言葉ありがとうございます。この後の二人については少し考えていることがあるので楽しみに待っていてください！続きを書いた時にはまたこちらでお知らせしますね。 (2020年6月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - 完結お疲れ様でした。この後の2人も見たいですね。また、いつか続編読ませて頂ける日を楽しみたいしています。 (2020年5月31日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» コメントありがとうございます。楽しみと言って頂けて嬉しいです。更新頑張りますね！ (2020年5月26日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年12月14日 22時
