年下の男 26 (ページ12)

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下準備…CM ページ12

★★★

ホテルに到着して

二部屋のチェックインを、
斉藤くんと上野先輩、それぞれにお願いする。

「ビジュアル的にも名前的にも、チャンミンじゃインパクト強すぎて相手の印象に残りすぎるから、
チェックインはお前さんたちで頼むよ」

小林さんがそう言って2人に頼んでいたから。

そのやり取りで

改めて自分たちのしようとしていることが
あまり推奨されることではないことを再認識した。

2人がチェックインしている間

僕はなるべく人目につかない、少し離れた所で待機した。

チェックインを済ませた2人が向かってきたから、合流して部屋へ向かう。

エレベーターの中でルームキーを受け取った。

「じゃあ、俺はこのまままた駐車場まで降りて帰るぞ？」

上野先輩の言葉に

「はい！ここまでありがとうございました！」

斉藤くんと礼を言った。

「…コバ先輩の事だから間違いは無いと思ってるが…
もし、何かあったら俺にも連絡をくれ。
何か手伝えることがあるかもしれん」

上野先輩はそう言って、僕に携帯番号を書いたメモ用紙を握らせて帰って行った。

斉藤くんと2人、閉まるエレベーターの扉の前で深く頭を下げる。

「……なんか、不思議な人ですねぇ、上野先輩って…」
「…そうだなぁ…」

斉藤くんとなんとなく呟いて

そして、くるり、と踵を返す。

「よし！行こう！」

チェックインした部屋へ向かう。

押さえた二部屋は都合良く隣同士で

まず一部屋に荷物を全て持ち込み、

入ってすぐ、斉藤くんはバッグからパソコンの類を何台か出してセッティングし始めた。

僕はどうすれば良いのかわからないから、手を出さずに指示を待つ。

いつもおっとりの斉藤くんとは思えないほどの機敏さで、数台のパソコンと、チューナーのような機械などを次々と繋いでいった。

「チャミさん、これ！」

手渡されたのは紙袋。と、イヤモニ。

「了解！」

その紙袋を持って、もう一部屋へと向かう。

部屋に入ってイヤモニを装着。

「斉藤くん、聞こえる？」

『はい、聞こえますよ。隣で助かりましたね。すごくクリアです』

「OK。じゃあ、セッティングします！」

紙袋の中から、ティッシュケースと、造花のブーケ、そして花のついたクリップを取り出した。

★★★