年下の男 26 (ページ13)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:128,564 hit

スタンバイOK…CM ページ13

★★★

ベッドの側のテーブルにティッシュケース。

ヘッドボードにはブーケ。

そして、スタンドライトには花のクリップをアクセントのように付けた。

「これでどう？」

イヤモニで斉藤くんにお伺いを立てる。

『うーーんと……そうですねぇ。
クリップ、もう少し下向きでお願いします』

「こう？」

『ああ、いいですね。その位置で。
で、ティッシュボックスはもう少し右にずらしてください』

「こうか」

『OKです！』

「で？こいつはどこにつければいい？」

『そうですね。やっぱりテーブルの下辺りが無難じゃないですか？』

斉藤くんにそう言われて、僕は小型の盗聴器をテーブル下に貼り付けた。

「こんなもん？」

『ですね』

「んじゃ、一回そっちに戻ります」

作業を済ませて、斉藤くんの居る部屋に戻った。

斉藤くんの目の前の2台のパソコンのうち、1台には隣の部屋の様子が映っている。

いま、仕掛けてきた隠しカメラの映像だ。

「すげ…ちゃんと映ってる…」

「獣医学部の友達の研究室用の予備をレンタルしてきました」

「獣医学部って隠しカメラ使ってるの？」

「やだなぁ、チャミさん！
隠しカメラを使ってるんじゃないですよ。小型カメラを使うんです。
今は小型カメラを隠してるから隠しカメラになっちゃってますけど！」

斉藤くんがそう言って笑って

異様な空気の空間が

少しだけ和んだ。

「小動物の生態を探るのに、小型カメラを仕込んで使うことがあるみたいですよ？」

「あ、なるほど！」

「まあ、何に使うんだ？って聞かれて困ったんで、
友達へのサプライズでドッキリを撮影したいから、って言ったら面白がって貸してくれました」

「…ノリのいい友達だね」

「貸すのは良いけど映像見せろ、って言われてるんですけど…どうしましょう」

「……え」

まさか本当の目的の映像を見せるわけにはいかないから…

「……それは後で考えようか、斉藤くん」

「……そうですね。とりあえず、本来の作戦の成功に向けて頑張りましょう…！」

決意も新たに、室内の時計を見ると午後6時。

約束の時間まであと一時間だ。

流石に緊張してきて、大きく深呼吸した。

★★★