体育大会 22 …YN ページ41
★★★
「あー！Aさーん！始まりますよ〜〜！」
アリーナ入り口の方を見て、前さんが叫んで大きく手を振った。
少し躊躇いがちにゆっくりと振り返ると
アリーナの入り口から一所懸命に走ってくるAさんが見えて…
いつものスッピンに
おでこ全開のその様子が微笑ましくて
つい、笑ってしまった。
ああ…
やっぱり好きだなぁ…。
胸の中がほんわかと温かくなる。
バレーもバスケも全力投球で
朝はあったはずのメイクは綺麗に無くなって
うっかりすると眉毛も微妙になりつつあるAさんが
息を切らしながらダッシュでやって来る。
頬が上気しているその様子が
愛しくて仕方ない。
…ああ。
やっぱり…側にいたい。
頑張る彼女の側にいたい。
会社だけでも構わない。
彼女を守りたい。
…いや。
…………守る…！
改めて決意した。
「えっ…と、ごめんね遅くなって…！」
目の前までやってきたAさんが
僕と前さんを交互に見上げて上がった息を整える。
「Aさん！お願いしますよ！ここからが正念場ですからね！！
午前中の予選を終えて、いよいよ決勝モードに突入ですよ！！
ここから一つずつ、優勝していけば、総合優勝です！！」
前さんが
前傾気味にAさんの肩を握る。
「う、うん…！が、頑張ります…！」
揺さぶられながらコクコクと頷くAさん。
押され気味なAさんも可愛い。
「とりあえず、今はコバさんの応援です！ユノさん！コバさんに一言かけてあげてください！！」
「…あ、え？！あっ…は、はい！」
前さんに促され、スタート地点に並ぶ小林さんを探す。
予選ということで、数人で一列に並んで一気にスリッパを飛ばすらしい。
「おーい！ユノーー！見てろよー！優勝してやるー！」
見つけるより先に小林さんに声をかけられた。
「あっ…は、はい！頑張ってくださいねー！！」
「コバさーーーん！前ですからね！前！飛ばす方向間違えないでくださいよー！」
僕の声援の後のAさんの言葉に、小林さんがずっこけた。
「あはははっ！そうだった！」
「そういえばそんなこともあったなぁ！」
周りの人たちも一斉に笑う。
「A！お前なーー！なんで身内の人間を陥れるかな！！俺を動揺させてどーすんだよ！」
スタート地点の向こうで小林さんが両手を振り上げた。
★★★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 311人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - nononoさん» ハイタッチとか、ハグとか、男同士は簡単にするけど実際の韓国男児って、女性に対してはどうなんだろう？？ユノも普通にサラリーマンだったらするのかなぁ？？ (2018年12月22日 8時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» スタンド席の皆さんは野鳥の会よろしく、双眼鏡ガン見かも…？！コバさんは、しっかり自宅で綾音さんと練習した甲斐がありました！ (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» コバさんの考えはシンプルでポジティブでストレートなんで気持ちが良いですよ〜。のこさん、是非コバさん誘って人生語り合ってくだされ。 (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 影に隠れていても何もならない、と実感している彼女は、使えるものはなんでも使って自分の欲望を満たそうとするでしょうね。お互いが弱点だから、そこを突かれたら身動き取れなくなりますね、2人とも。しかも、ヒロインは彼女にトラウマが…。^_^; (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
nonono - ハグ〜(//∇//)の文字だけで、ヘラヘラしてしまふーwwwやったねー！一瞬かもしれないけど、喜びを一緒に感じて良かった！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 399d76873f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年10月27日 1時
