44.理由 ページ43
プリムラが、誰も手の届かない所へ、か。
今の私なら、少しわかる気がする。
プリムラは、素直な言葉を使うと、ファンを後ろに付けて突き進むようなアイドルだった。
プリムラが切り開いた道に、ファンがただついてくる。
でもそんなものはアイドルではない。
ただの押し付けだ。
私が今目指したいアイドルは、ファンとスタッフと私の全員で進むアイドル。
プリムラが間違いだった訳じゃないけれど、今の自分とはもう違う人間だ。
朔「失敗引きずるのも仕方ないよな、インディーズだし」
「インディーズ…だけど……IDOLiSH7はこんなもんじゃない。すぐに駆け登るよ、きっと」
朔「へえ、好きなのか」
「うん。初ライブから追っかけてる！ といっても、忙しくてこれの観覧も申し込みすら出来なかったけどね…」
朔「お前が好きな歌手1人に絞るなんて…初めてじゃないか」
「そうだっけ？ まあこんなに追いかけてるのは初めてかも…」
朔「……まあこいつらの実力はこんなもんじゃないからな。お前が好きそうだよ」
「え、なに朔、IDOLiSH7のこと知ってるの？！」
朔「い、いや…て、テレビでちらっと見たんだ」
「なに誤魔化してるの？ 吐けーー！」
結局、その後IDOLiSH7について朔が言うことは無かった。
それからは、たくさん音楽の話をした。
アイドルとして目指すものや、共演したい人、出たい番組。
どんな会場で、どんな演出で、どんなパフォーマンスをしたいか。
冠番組ができるとしたら、どんなことを。
まだ少しぼやけていた景色が、朔と話をするだけではっきりと色付いてくる。
「前だったら、毎日のように話していたのにね」
私が何気なく言うと、朔の顔が少し曇る。
話していて気付いてしまったこと。
離れていた期間を繋ぎとめるのは、結局音楽しかなかった。
今はお見舞いという名目があるからいいけれど、曲を作って貰えない以上、この関わりは絶たれてしまうのだろうか。
こんな風に、いつでも話すことはできなくなるのだろうか。
「怒ってる、訳じゃないんでしょ？ ならなんで…」
朔「……俺自身の問題なんだ。ただ、俺が…怖いだけなんだ」
「怖い？ 私が？！」
朔「違う。…俺は何もかもあの頃から変われていない。お前は、こんなにも変わろうとしているのに」
朔「変わったお前に、俺はついていけなくなりそうで、怖い」
「そんなこと」
朔「俺は！ お前が思ってる何倍も弱いよ」
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
