28.最初の課題 ページ28
真奈香「お礼と謝罪、ねー……」
「まずは、プリムラとして謝らせて。本当に、ごめんなさい。真奈香の期待を私自身で裏切ってしまって」
真奈香「………本当はね。飛行機の中で、Aに会った瞬間怒ろうと思ってたの。ドイツの私のファンの中には、プリムラのファンもいたから。でも、会ったらそんなの吹っ飛んじゃったわ。だから、それはもういいのよ」
真奈香「あなたが笑っているのなら、それでいい」
「…ありがとう。真奈香さん」
真奈香さんはまた、私の頬を愛おしそうに撫でる。
私は本当に、人に恵まれているな。
両親や山守、涼夏に所属タレント達。両親のツテで出会った人達と、もちろん真奈香さん。
その人たちに、お礼を言うために。アイドルになるからには、最前線で戦えるくらいの力をつけたい。
そしてそのためには、真奈香さんの力が必要不可欠だ。
「お願い、真奈香さん。私の先生になって下さい！」
真奈香さんは、一度困ったような笑顔を向けたが、直ぐに悩むように私の頬から手を離して、下を向いた。
真奈香「……あなたが、立派だと思う。それに、きっと人気になれるとも思う。でもね、」
真奈香「会社のため、みんなのためってAはいうでしょ？ じゃあ、Aの気持ちは？」
真奈香「あの時と比べたら気持ちに余裕が出来て、へこたれなくなったのはいいことだと思う。でも、A自身の気持ちがないと、私はまたAが同じようなことになってしまうんじゃないかと思うの」
「私自身の、気持ち…」
そんなこと、考えたことが無かった。
お父さんとお母さんが亡くなってから、ずっと周りのことばっかり気にしていた。
自分がやりたいかどうかなんて、後回しにしていた。
先生は、そのまま言葉を続けた。
真奈香「あともうひとつだけ聞いて。具体的なあなたの目標はなに？ アイドルとしてAが見せる姿はどんな姿なの？ それがあるから、ファンは応援したくなるような」
真奈香「会社とか全部まず忘れなさい。ただ、A自身は、どんなアイドルになりたいの？」
「…………」
売れるためには、プリムラと同じくクールの方がいいとか、逆にカワイイ系を狙うとか、そういうコンセプトは何となく考えていたけれど、私自身がどうなりたいか。
考えていたようで、考えていなかった。
漠然と、ただ毎日どうすれば売れるのか。ただそれだけを考えていた。
真奈香「納得出来る答えを持ってこれたら、仕事を受けるわ」
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
