治くんはヤンデレを通り越してやべぇやつだった件 《太宰治》

私と貴女への想い ページ14

太宰side



「もちろん約束しよう。Aさんを傷つけるような事はしない」



心からの本心だ




でも





もし彼女が私を拒絶するような事があれば





もし私以外の男を好きになるような事があれば





きっと私は正気で居られない










「まぁ一応信じておいてやるよ。



________じゃあな」





そう言った彼は私の横を通りすぎ駅の改札に入ろうとしたが、何故か立ち止まり振り返った






「あいつ、他人の事は敏感で察しが良いくせに、自分に向けられる感情にはバカ並に疎い。____他の男に取られたくなけりゃぁちゃんと見とけよ」




あぁ、そうだねぇ



全く同意見だよ





「ご忠告どうも。けど既に対策済みさ」





昨日の“話し合い”でAさんも理解はしたはず



安易に私以外の男と親しくなる事はないだろう






「そうかよ」






その言葉を発した彼は駅の中へと入っていき、やがて姿は見えなくなった



























私はAさんに




自分が“元ポートマフィア幹部”だったという事実を話していない




幼なじみくんの話しを聞いて、やっぱり言わない方がいいと思った



言ってしまえば彼女が私を拒絶するかもしれない




嫌われてしまうかもしれない







柄にもなくそんな“拒絶される恐怖”が私の中に存在する






しかし、私以外の口から彼女に伝わるなんて事は避けたい






国木田くん達はきっと言わないでいてくれるだろう…が








探偵社以外はそうではない
















どんなに天才であろうと







どんなに頭脳明晰であろうと








この先の未来を100%解る者など存在しない









“幸せ”



“幸福”



“平和”








そんなものはいとも簡単に壊れ、崩れ去ってしまう









1つの偶然や必然が1つの未来を歪ませる










そしてその歪みが波紋を呼ぶ


















それらが








刻一刻と近づいている事を私は知らない________。

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