0 ページ1
Aside
「入りますよ」
もう2年の付き合いになり、合鍵も渡しているというのに
そいつは律儀に毎回玄関前からそう声をかけてくるくせに
返事を待つことなく入ってくる
『あと30秒待って』
「いい加減インターホン直したらどうです?」
『じゃあ入間が直してよ』
「お断りします」
無機質な機械音と
私がキーボードを叩く音だけが部屋に響く
『終わった〜!』
「お疲れさまです…ところで、私が頼んでいた情報は?」
『あー、これ』
赤いグローブに包まれた入間の手にUSBを置けば
引き換えに茶封筒が渡される
『1,2,3,4,5,6……毎度あり〜』
「全く…毎回なかなかの高額を渡しているというのに
いつまでセキュリティの甘いこんなアパートに住むつもりなんです?」
『べーつに、今のままでも困ってないし
余計なお世話だっつーの』
パソコンの電源を落とし
ようやく入間に向き直る
「今日はどこに行きます?」
『酒が飲めればどこでもいーや』
「全く、成人していないでしょうあなた」
『うるさい汚職警官』
パーカーを羽織り部屋の電気を消し
玄関に向かえば当たり前のようにいる間もついてくる
「では、いつもの居酒屋に行きましょう」
『あそこの豆腐美味しくないんだよね〜』
「なら頼まなければいいだろ」
『うっかり頼んじゃったら入間食べてね』
「自分で食べろ」
これは
とある情報屋と汚職警官が
酔って溺れて間違えるお話
89人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - すごく続きが気になります!更新を望ませてもらうのはもう今更でしょうか…? (5月3日 22時) (レス) @page10 id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです! 次の更新楽しみにしてます! (2022年12月12日 2時) (レス) @page10 id: 2e9b28c6b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨 | 作成日時:2022年10月12日 20時