ミステリー探偵事務所 (ページ1)

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出会いページ1

4月、地元の大学を卒業した私は友達の香の紹介で今日から務める会社に向かった。
今日から私は社会人になる。
その嬉しさは言葉では表せないほどの喜びで胸がいっぱいだった。
香に渡されたメモを見て歩くと
今にも崩れそうなくらいにボロボロの三階建てのアパートがあった。
あまりのヒドさに私は思わず絶句した。
本当にココなの・・?
と半信半疑になったがアパートの住所と香に渡されたメモに書かれた住所は同じなので覚悟を決めて入った。

ドアを開けると
そこには、16個ぐらいの椅子と机があり窓際の椅子には女性がいた。
その女性はなぜか私に背を向けていた。
「あの・・・。」
私は彼女に向かってそう尋ねた。

しかし、彼女は振り向かない。

私はもう一度彼女に向かって
「あの・・・。」
と尋ねた。

しかし、彼女はまたしても振り向かない。

それならば、と私は勇気を出して
「あの！！」
と大声を出した。

すると彼女はその大声に驚いたのか背中をビクッと震わせていた。
すると彼女が座っていた椅子がバランスを崩し床に倒れた。
さらに追い打ちをかけるかのように彼女が座っていた椅子が机にぶつかり机に置かれたものが一斉にズドーンと落ちた。

怪我でもしてないかと心配した私は
「大丈夫ですか？」
声を掛けた。
すると彼女は後ろ姿しか見せないが私に向けて
『痛いー！ちょっと！私が読書中にいきなり大声出すってどういう事？！』

それはこっちのセリフよ！
人がさっきから話しかけてるのにさっきから無視して
机から物が落ちたから怪我でもしてるかと心配したら逆ギレされるなんて！

と言いたかったがそれを抑えて
「あの・・・、私は貴方が怪我してるんじゃないかと心配して・・・。」
と私が言おうした途端
彼女は私の方に姿を見せた。

栗色の髪にミディアムハーフアップの髪型だった。
子供みたいに頬を膨らませた怒り方で私を見た。
普通だったら
「何だ、この子は」
と思うが
私は彼女の姿を見た時驚いて声が出せなかった。
その姿が私の友達と瓜二つだったからだ。
私は思わず彼女を友達の名前で呼んだ。
「・・・・・みき？」
私と彼女はしばらくお互いを見つめ合った。

これが私、立花千代と私の人生を変えた親友である入江静香との出会いだった。