検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,956 hit

第1話 謎の光 ページ3

記録の国レコルドの上空、飛行船の中。

姫君は与えられた部屋から窓の外を見渡した。数日前から各国で目撃されるようになった謎の光が、徐々に強さを増して来ている……彼女はその光の正体を突き止めるべく、飛行船で各国の王子たちの協力を得て調査を続けていた。
再び輝きだしたそれを見つめる姫君だったが、廊下につながる扉が開く音がしてカーテンを閉め振り返った。姫君の視線の先には、姫君の膝ほどの大きさで燕尾服を着た白いきつねのようなぬいぐるみらしき者が立っており、それは自分の足で歩いて姫君の元へやってきた。もっとも姫君にとってその光景はもう見慣れたもので、紆余曲折あった今となっては愛おしくすらある。




ナビ「あすか様、ロイエ王子が至急甲板に来て欲しいとおっしゃっていました」


あすか「わかった、ありがとうナビ。行こうか」




 ナビと呼ばれたそのぬいぐるみらしき者と共に、あすかは部屋を出て甲板へ上がる。それと同時に――ことは起こった。




ロイエ「来たか、姫君」


あすか「ロイエさん、あの光がまた……」


ロイエ「ああ、何度も形を変えて……また何か動きがありそうだ!」




 ロイエさんの声が船上に響いたそのとき、ひときわ大きく謎の光がきらめく……あまりの閃光に目がくらみ、思わず身をかばう姫君と乗組員たち。やがて光が静かに収まると、そこに見えたものは……彼らにとってはよく慣れ親しんだものだった。




ロイエ「まさか、あれはムーンロードなのか!?」




 ムーンロード。それは月明かりによって作られた道のこと。数日に1回、月が明るい夜に湖や泉から月に向かってかかり、それは遠く離れた国にも通じているという。何度もムーンロードを超えてトロイメアまで旅をしたあすかには確信があった。これは、何かいつもと様子が違う、と。

第2話 光を渡って来た者は→←Prologue〜見定める者たち〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:夢100 , 夢王国と眠れる100人の王子様   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:津流律 | 作成日時:2019年2月13日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。