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あと僕メガネですけど何か、もうメガネはとっくにアイデンティティですけども。
そう新八が珍しく冷静にツッコむけれど、銀時に聞こえているのかいないのか。
とにかくこの作戦は中止だと別の考えるぞとまくし立てる銀時を、Aが呼ぶ。
「んだよ、何言われても俺ァ……」
「ぬし様、それならわっちを買ってくれなんし」
少し教えてもらった廓言葉を、試しに早速使ってみるA。
こんな感じカナ?と首を傾げる。
「よォし身請けだ。
お前さんはいくらの女だい」
「んーと……2億アル!」
「上等だコラ、
ローン払いでお願いします」
「いや何やってんのアンタらァァァ!」
やっぱり冷静じゃいられなかった新八のツッコミが炸裂したのだった。
◇
何だかんだ意思は曲げないAに結局銀時が折れて、
当初通り替玉作戦は決行される運びとなった。
飛脚の青年が、せめて自分にできることをと必死に探し出した吉原へ通じる隠し通路。
見つかるリスクを減らすためにもなるべく人数は抑えようと、
新八が江戸に残り後から来ることに決まり。
何度も着物の裾を踏んづけそうになって苦労しながらAは、銀時と青年と共に無事吉原へたどり着く。
そうしたらあとは打合せ通りで、慎重にタイミングを見計らって少女とAが入れ替わりに成功すると。
そのままAは遊女として大見世へと連れられていった。
物陰に潜みながら、少女との再開を喜んだ青年。
それも束の間、黙ってAが消えていった先を見つめている銀時に気付くと眉を下げた。
「あの……大丈夫なんでしょうか身代わり、なんて……。
年も変わらないだろうあの娘に、こんな押付けるような……それに、あの娘は貴方にとっての大切な人、ですよね」
青年の言葉に、銀時が視線は外さず先を見たまま答えた。
「……アイツがやるって決めたんだ、気に病むこたねェよ。
それにアイツは見た目によらず強い子だから、なんせ原チャリに引かれてもケロッとしてるくれーだ」
そして大切な人、その答えは。
「まァ、そうさな
せいぜい、アイツが汚ェジジイにでも触れられようモンなら、間違いなくソイツをぶち殺すってくれーのレベルでな」
この吉原、まだ晴太のこともある
穏便に済むとは思えない。
どの程度の規模かは分からねーが、
その内きっと騒ぎが起きる。
それまで適当に身を潜めて、できることならそれに乗じて逃げろ。
青年とそれに寄り添う少女に銀時はそう告げて、物陰から姿を出す。
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ぽてうさ(プロフ) - 鈴音さん» 初めまして!お返事遅くなり申し訳ありません(・・;)一作目から読んで下さっていたなんて光栄です、ありがとうございます!コメントを貰えるととても嬉しいです。ただいま6の方を製作中なので、早く公開できるよう頑張りたいと思います(*^^*) (2019年2月5日 8時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 初めまして!実はこの作品は一作目から読ませていただいていたのですが、コメントをするのが恐れ多くて今までできていませんでした((((((゜ロ゜;ですが丁度更新再開されたので、コメントさせていただきました。これからも楽しみにしてます!更新頑張ってください!!! (2019年1月12日 22時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - なんとか完結できました、お付き合い下さりありがとうございます(;v;)!次回からは文字数的にどこまで入るかによりますが、神威と高杉さんがメインになる展開へ移行していく予定です!また自作もお付き合い頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - lastpinさん» そういって貰えてうれしいです、ありがとうございます(●´ω`●)エピソードだけはポンポン思い浮かんでくるので、上手くお話にできるよう頑張ります! (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 5巻完結おめでとうございます!次回の6が今から楽しみです!高杉さんの出番が増える事を願って…(笑)。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: 245213e437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2018年6月16日 19時