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「……そうアルな。
この万事屋に、いっちょ任せるネ!」
Aがそう、力こぶをつくり改めて宣言した。
「……あ、ありがとうございます……!!」
こうして請け負った、新たな依頼
向かうは常夜に沈む、吉原桃源郷。
◇
「なァ、やっぱりやめない?
うんやめようよ、ねェ」
「さっきから何回同じこと言ってんですか。
気持ちは分かります、僕だって止めたいけど……。
Aちゃん本人がやるって言い張るし、ここまで来たらもうしょうがないですよ」
「だぁってよォ、おま、遊女の替玉だぞ替玉」
見世から遣わされる遊女の数が足りなかったら、すぐバレる。
けれど数が合えばそのひとり一人の顔そのものは照合されないだろう、
何せ今回は揃って端女郎ばかりが集められた、その先での扱いは推して知るべし。
大見世へ身投げするようなものだと、遊女間でも密やかに囁かれていたのだから
変わり身を申出でる者がいたすれば、そりゃ大層なもの好きだ。
だからこそ、少女を助けるためにはその変わり身に、
遊女として大見世へ赴くのが一番確実で手っ取り早かった。
そしてその適任といえば、年の頃も近く唯一の女であるAしかいない。
それを聞いたAは、迷いなくやるアルと頷いたのだ。
あの吉原だぞ、そもそもお前遊女が何するのか分かってんのか、
そう銀時が中心となりAを止めたが
「任せてっていったアル、自分の発言には責任もつネ。
私にしかできないなら、それが一番なら迷う必要なんてないアル」
それに、上手く行けば晴太とマミーを会わせるきっかけが作れるかもしれないネ!
そう言ってやる気十分なA。
「銀さん……こうなったらAちゃんは頑固ですよ」
新八が言うのは銀時もよく知っていて。
深いため息をついた後、
「いいか、お前の役目はその禿を逃がして大見世入りしてから、俺達が潜入するまでの時間稼ぎだ。
客につかされても、そしたらすぐに駆けつける。
だから、指一本触れさせんな。ちょっとでも危ねェことになったら、お得意の怪力で思いっ切り伸しちまえ。
万が一失敗に終わってもまた別の手を考えりゃいい
だから無理と深追いだけはすんな、絶対に」
真剣な目で言い聞かせ、いいな?と念を押した。
こうした経緯で替玉になることになったAは、
お登勢の伝手やらを色々辿り集めた、かつて吉原に出入りしていた髪結い人、また着付け・化粧類の専門人によって
今立派な花魁に仕立てあげられている最中だ。
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ぽてうさ(プロフ) - 鈴音さん» 初めまして!お返事遅くなり申し訳ありません(・・;)一作目から読んで下さっていたなんて光栄です、ありがとうございます!コメントを貰えるととても嬉しいです。ただいま6の方を製作中なので、早く公開できるよう頑張りたいと思います(*^^*) (2019年2月5日 8時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 初めまして!実はこの作品は一作目から読ませていただいていたのですが、コメントをするのが恐れ多くて今までできていませんでした((((((゜ロ゜;ですが丁度更新再開されたので、コメントさせていただきました。これからも楽しみにしてます!更新頑張ってください!!! (2019年1月12日 22時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - なんとか完結できました、お付き合い下さりありがとうございます(;v;)!次回からは文字数的にどこまで入るかによりますが、神威と高杉さんがメインになる展開へ移行していく予定です!また自作もお付き合い頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - lastpinさん» そういって貰えてうれしいです、ありがとうございます(●´ω`●)エピソードだけはポンポン思い浮かんでくるので、上手くお話にできるよう頑張ります! (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 5巻完結おめでとうございます!次回の6が今から楽しみです!高杉さんの出番が増える事を願って…(笑)。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: 245213e437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2018年6月16日 19時