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「……カンキン?」

その被害者張本人だけが、首を傾げてされたことに無自覚でいた。



その後新八から教えてもらい、神威の所業は
一般的に見てカンキンと言う犯罪に当たるのだと知った。


「それになァ、そんなにちゅっちゅかやんのは
少なくとも“兄妹間では”普通じゃねェ」

「そーごにも言ったけど、それは夜兎とのジョーシキが違うのかなって」

銀時が言うのに、Aはそう返す。

「いや……そんなことないと思うよ」

兄の方は、兄妹として見てないんだからとはAに直接言えず、言葉を濁す新八。



「オイ、A。
俺ァお前を兄貴の元に戻すつもりは更々ねーかんな」



「え」

「銀さん」

神威が迎えに来るとか、それをAが受け入れるつもりだとかそんなのは知ったこっちゃない。

「春雨だかなんだか、そんな物騒で厄介なモンに足突っ込んでる野郎においそれと渡せっかてんだ」

「屈強な夜兎のみで編成された第7師団、その団長は若くして雷槍と評される実力者なんだそうですよ」

それが、神威だと。

“大悪党”なんだよねと、簡単に言ってみせたあの時の神威を思い出すA。

Aにとってのヒーローは、皆にとっては打ち倒すべき悪役だった。


それでも、Aは神威を嫌いになどなれない。
世界にたった一人の、かけがえのないお兄ちゃん。


「それに、戻ったところでまた閉じ込められるだけかもしれねーんだぞ」

それでいいのか、と聞かれれば良くない、と答えたくなる。

空の青さと太陽の暖かさを知った、曇り空だって雨だって皆で過ごせば好きになった。

一度手にした自由を、忘れることなどできるのだろうか。

でも。

「私はその時がきたら、帰らなくちゃならないヨ」

ひとりぼっちの烙陽から連れ出してくれた時のように、行こうと差し出される神威の手を、
きっともう拒むことはできないから。

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ぽてうさ(プロフ) - 鈴音さん» 初めまして!お返事遅くなり申し訳ありません(・・;)一作目から読んで下さっていたなんて光栄です、ありがとうございます!コメントを貰えるととても嬉しいです。ただいま6の方を製作中なので、早く公開できるよう頑張りたいと思います(*^^*) (2019年2月5日 8時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 初めまして!実はこの作品は一作目から読ませていただいていたのですが、コメントをするのが恐れ多くて今までできていませんでした((((((゜ロ゜;ですが丁度更新再開されたので、コメントさせていただきました。これからも楽しみにしてます!更新頑張ってください!!! (2019年1月12日 22時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - なんとか完結できました、お付き合い下さりありがとうございます(;v;)!次回からは文字数的にどこまで入るかによりますが、神威と高杉さんがメインになる展開へ移行していく予定です!また自作もお付き合い頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - lastpinさん» そういって貰えてうれしいです、ありがとうございます(●´ω`●)エピソードだけはポンポン思い浮かんでくるので、上手くお話にできるよう頑張ります! (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6e545ade18 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 5巻完結おめでとうございます!次回の6が今から楽しみです!高杉さんの出番が増える事を願って…(笑)。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: 245213e437 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2018年6月16日 19時

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